風太くん効果で年間来場者数+20万人
――今でも立ち姿を披露していますか?
残念ながら、2019年を最後に立っていません。原因は加齢による筋肉の衰えです。ただ、歩くための筋肉はまだ衰えていないので、散歩など、動き回ることは支障ありません。ほかの老化現象としては、2018年年に右目が白内障になってしまいました。
ただ、高齢になってもまだまだ走りは早い。この走り姿が本当にかわいいんです。
――立ち姿が大ブームになった経緯を教えてください。
雌のレッサーパンダ、チィチィのお婿さん候補として2004年に日本平動物園から当園に来園したのが風太くん(チィチィが実際に来園したのは2005年)。
ただ、当時は当園でのレッサーパンダの繁殖は少なく、風太くんのお婿入りは地元の千葉でも特に話題にはなりませんでした。注目を浴びるようになったのはやはり、あの立ち姿を披露してからですね。
もっとも、エサをもらう時にちょっと猫背気味に立ったり、どこかに掴まりながら立ったりと、レッサーパンダの立ち姿はそんなに珍しいものではないんです。ただ、風太くんは背筋までもがピンとしていた。あれほど綺麗な立ち姿はあまり見ません。
――社会現象を振り返ってみて。
CM起用だけでなく、さまざまな風太グッズが商品化もされました。
市内の幼稚園などで「レッサーパンダ体操」が大流行しました。当園の年間入場者は例年の60万人前後から、風太くんブーム時は80万人を超えていました。その人気ぶりは園の関係者ならだれでも肌で感じていたはずです。これほどまでの人気者はもう出てこないと思います