風邪でもレコーディングして直後に点滴…!?

――ソロデビューしてからは、どういう生活だったんですか?

ソロデビューからの1年が、芸能生活の中で一番忙しかったです。歌番組、正月と夏のハロプロコンサート、レコーディング…スケジュールがなくて1日3曲、深夜までレコーディングしたり。疲れて風邪ひいて、熱がありながらレコーディングした曲もありました。身体の節々が痛くて、イントロまで椅子に座っていて、始まったら立って歌って、そのまま救急病院に行って、「眠るために痛みを消す点滴をしてください」って言って点滴してもらって、帰って寝て、また次の日仕事で…みたいな感じでしたね。

〈藤本美貴デビュー20周年〉「お前で何人の社員が飯食ってると思う?」「何億かけてると思う?」と言われたソロ時代。「アイドルは青春ではなく、お仕事でした」_3

――かなり過酷だったんですね…。デビューしたその年の年末には紅白歌合戦に出場しました。

紅白歌合戦は、家族が喜んでました。祖母が一番喜んでくれたかな。それで、紅白が終わってそのまま事務所に連れていかれ、モーニング娘。に入ります、って言われるという(笑)。でもモーニング娘。に入ってからのほうが時間はありました。メイクの時間も順番だから、入りの時間を遅くできたり、もし風邪をひいて倒れても誰かがやってくれる。代わりがいないソロって本当に大変だったな、と今でも思いますね。

――モーニング娘。に入ると聞いたときは、正直嫌でしたか。

「今? 何で?」「私がですか?」「入るんですか?」って(笑)。でも言われたときはTVのカメラも入ってるから、「嫌だ」と言えず、「はい…」しかなかったです。

――6期メンバーの同期の3人、亀井絵里さん、道重さゆみさん、田中れいなさんとはどういう感じだったんですか。

どんな感じもなにも、特になにもなかったですね。あの3人は初めて芸能界に入って、モーニング娘。になって、お仕事をして…目まぐるしい日々を過ごしていて、私がどうとかいうどころじゃなかったんじゃないかな。でも可哀想でしたよね。いきなり経験者が同期で入ってくるなんて。自分としては、同期がいるようでいないような感覚でした。

――当時、田中さんと藤本さんは仲が悪いんじゃないかって噂になっていました。

そうそう! そう言われてますけど、まったく仲が悪かったことはなかったですね。

――ではメンバーの中で、一番最初に仲よくなったのは誰ですか?

よっすぃー(吉澤ひとみ)ですかね。歳も近いし、よっすぃーはどこかの派閥に混ざるタイプじゃないのが私と同じでなんか気が合いました。別に何をするわけでもなく、同じ空間にずっとふたりで座ってる…まるで夫婦みたい(笑)。互いにそっと寄り添う感じでしたね。用事があったら「ねえ」って話す、みたいな。今でもたまに、連絡したりしています。