「子どもが育てにくい、預かってほしい」と相談があった

通っていた保育所が、修くんが虐待を受けていた可能性を指摘しており、神戸市こども家庭センターが対応に当たっていた。同センターが取材に応じた。

「4月24日に保育所の方から区役所に通報がありました。内容としては『修くんの右肩とお尻にアザができていて、本人も叩かれたと言っている』という内容だったとのことです。ただ、いつ誰にどのように叩かれたのかは聞き出せなかったので、同日中に区役所の担当者が穂坂さん宅へ訪問したものの修くん本人には会えず、お母さんとおばあさんにお会いできただけだったようです。

当センターには5月1日、区役所から情報共有の連絡がありました。同日に区役所が再度、穂坂さん宅へ訪問したところ、『子どもが育てにくい、預かってほしい』といった相談をされ、当センターにつないでいただいた形です。翌日の午前中に穂坂さんへ電話連絡したところ、対応されたおばあさんからも『子どもが育てにくい』とうかがったので、午後1時ごろに当家庭センターに来所していただく約束になりました」

ところが、時間になっても祖母も沙喜容疑者も一向に姿を見せなかったため、同センターは午後4時までに計4回電話をかけたという。そして午後4時半ごろ、祖母から折り返しの連絡があった。

「おばあさんがおっしゃるには『お母さんが一時保護に納得せず、修くんも一時保護を嫌がってしまって訪問できなくなった』とのことでした。GWが明けて5月9日午前11時過ぎに電話をしたところ、1度目は出られず、2度目におばあさんが出られて、一時保護について『お母さんとまだ相談中です』の一言だけで電話が切れてしまいましたので、直接訪問をしました。

この際に対応されたのは、おばあさんと叔父の大地さん、叔母の朝美さんです。主に対応されたのは大地さんで、修くんが乱暴な子で育てにくい一面はあるものの、今現在は落ち着いている状況で、沙喜さんもまだ納得していないので一時保護は必要ないとのことでした」

自宅付近に供えられていた花束(写真/共同通信社)
自宅付近に供えられていた花束(写真/共同通信社)

この訪問時、同センターの担当者は母親の沙喜容疑者と修くん本人への面会を強く求めたが、大地容疑者らは頑として応じなかったという。

「お母さんは一時保護に納得していないし、修くんも今は落ち着いてるけど急に会わせて興奮状態になると困るからという理由で断られました。大地さんにはパンフレットを用いて、子どもの行動観察や発達検査も行えるといった一時保護の内容についてご説明させていただき、何かあればご連絡くださいということで話は終わりました」

このやり取りから1カ月半後、修くんは変わり果てた姿で見つかり、祖母は監禁から逃れて保護された。3世代6人が暮らしていた穂坂一家に何が起こったのか。
県警が慎重に調べを進めている。

※「集英社オンライン」では、今回の事件について取材をしており、情報を募集しています。下記のメールアドレスかTwitterまで情報をお寄せ下さい。

メールアドレス:
shueisha.online.news@gmail.com

Twitter
@shuon_news

取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班