分担という名の丸投げ

そうなのだ自分のことを自分でやるって、実は自分の心身の健康のためにとっても大事なことなのだ。
掃除だって、お母さん一人が全部の部屋を掃除するから大変だし腹も立つんであって、お父さんも子供も自分が散らかしたものは自分で片付け、自分が汚したものは自分で掃いたり拭いたりすれば、実は全く大変なことでもないし、各々の精神衛生上もいい。

なのに、なぜそうしないのか。家族が一緒に暮らしているからといって、なぜ家事を「分担」して、誰かが全員分のものをまとめてやらなきゃいかんのか。
「効率的」だから?

いや実はここにはワナがあって、現実は決してそうとはいえないのではないでしょうか。分担といえば聞こえはいいが、各種調査を見れば現実にはお母さんが多くを引き受けている場合がほとんどで、結局お母さん以外のメンバーは自分の後始末を他人に丸投げしてるんである。

つまりは、お母さん以外のメンバーは全員がワガママな王様お姫様王子様状態、やりたい放題欲望全開。だらしなく欲望を垂れ流し、とどまるところを知らない。

前に書いたように、これが「自分で自分の家事をする」人、すなわち自分が姫と使用人の一人二役をしなけりゃならない人であればその欲望の恐ろしさも実感できようが、自分のケツを他人に拭かせている輩は底に大穴の空いたバケツである。「今日のご飯なに~」「えー、今日もナベ? 最近手抜きなんじゃないの〜」などとのたまうあなたは何様か。念のため教えてさしあげれば何様でもないのですよ。ただの凡人です。

なのにそれにも気づかない。このような残念な方々に取り囲まれているがゆえ、そのような方々の一方的使用人と化したお母さんの家事負担とモヤモヤ感はとどまるところを知らないのである。

つまりはですね、「家事の分担」なんぞしている限りは、お母さんのひどすぎる家事負担はどこまで行ったってなくなりはしないのだ。

「家事の分担をやめましょう」家事分担が逆に家事を地獄化する? 最終的に人を支えるのは「金でも名誉でもなく家事力」_3
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