家事の分担をやめましょう
これも「え?」と思われること間違いなしであろう。
だってそもそも分担とは、家事をラクにするための常識である。イロハのイである。
例えば洗濯をする時、お父さんとお母さんと子供の三人家族だとして、その中の誰かが三人分の洗濯をするのが現代では当たり前だ。問題になるとすれば「誰が」という部分であって、「誰かが」やることそのものに疑問が挟まれることなどまずないだろう。そりゃそうだ。
物事を効率的にやろうと思えば、分けてやるのでなく「まとめてやること」である。
誰かが全員分の洗濯物をまとめて一気に洗濯機に放り込むのがどう考えても合理的だ。
で、私はそこにまさかのダメ出しをしようというのであります。
各々が手で洗う方が合理的?
お父さんも、お母さんも、子供も、自分のものはそれぞれ自分でチマチマ洗おうと言いたいのだ。しかも「便利をやめる」の原則に沿うならば、洗濯機でなく手で洗おうと主張したい。念のため釘を刺しておくと、これは何かの修行でも根性論でもなく、その方が圧倒的に家事がラクになりますヨという親切なご提案である。極めて合理的な選択肢として、このことを強くお勧めしたいのである。
無論、なんで? ということになろうと思いますので、以下、順を追って説明させていただきます。
これほど便利なものが次々売り出される世の中なのに家事の負担がちっとも減らないのは、その根っこを掘っていけば、結局は、どこまでも暴走し続ける私たちの欲望が原因なのだ……ということをこれまで繰り返し説明させていただいた。
なぜなら、そのどこまでも欲深いご主人様の面倒をみる(家事をする)のは、よほどのお金持ちでもない限りは自分自身。なのでこの悪魔のからくりから脱出するには、まずは自らの欲望を制御すること、暮らしを小さくすることが一番シンプルで簡単かつ確実な解決方法なのだ。
ところがですね、このシンプルで簡単な解決方法を許さない存在がいるのだ。
それは「家族」というやつである。