私は民衆が取るアクションに興味がある。日本の観客のみなさんの感想もぜひ、知りたい。
──このインタビューは4月に行っていますが、フランスは年金改革法案を強硬採択したことで、抗議デモが激化しています。マクロン大統領の施政から国民の感情がかなり離れてしまっているように見えますが、今フランス社会を見ていて、次作の題材に反映できそうなものがあれば、教えてもらえるでしょうか?
「私はヒューマンドラマに興味があり、政治には関心が強いとは言えないんですけども、民衆が取るアクションというものには興味を持っています。フランスの現状として、役所の対応であったり、国の機関がうまく機能していないことがあり、その状況は私の映画作りに材料を提供してくれて、役に立っているとはいえるでしょう。
最後にひとつ、日本の観客の方にお願いがあります。今後の映画作りに生かすうえで、私の映画を見た方々の直接の反応を知りたいと思っています。感想をSNSなどで発信される場合、私に届くようなアクションをしていただけると嬉しいです」
──このインタビュー記事を発信する際、#Louis-Julien Petit、もしくは#La Brigadeとタグ付けなどをして、ルイ監督に届くように工夫してみます。映画をご覧になった方の中、感想をぜひ、監督に届けたいという方もトライを!
ウィ、シェフ!
フランス北部の港町、ダンケルクの人気レストランでスーシェフ(副料理長)として働くカティ(オドレイ・ラミー)は独立資金を貯めている最中、テレビの料理番組の収録中、オーナーシェフのリナが自分の料理を見た目優先でアレンジしたことで衝突し、突発的に店を辞めてしまう。とはいえ、新しい職場探しが上手くいかず、唯一声がかかったのは未成年移民の少年たちの支援施設の住み込み料理人の仕事。こだわりが強すぎて、時間通りに料理を出せないカティに、施設長のロレンゾ(フランソワ・クリュゼ)はここにいる子供たちは18歳までに職業訓練学校に入学できなければ母国に強制送還されてしまう境遇を熱弁。
スピーディかつ安くて美味しい献立を目指し、カティと子供たちはチームを組むことになるが……。星付きレストランで半年以上の修業を重ねたカティ役のオドレイ・ラミーの鮮やかな手さばきと、カティが作るビーツを美しく並べた「ビーツのパイプオルガン」や、子供たちが作る牛ランプ肉のグリルとニンジンのピュレの付け合わせ、故郷の料理を再現した民族料理など、目にも楽しい料理コメディ。かつ、付き添い者のいない未成年の移民が直面する問題も描く。
監督:ルイ=ジュリアン・プティ
出演:オドレイ・ラミー、フランソワ・クリュゼ 他
2022年|フランス映画|フランス語|97分|5.1ch|シネスコ|
原題:La Brigade|英題:Kitchen Brigade|
字幕翻訳:星加久実|
後援:在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ
提供:ニューセレクト
配給:アルバトロス・フィルム
© Odyssee Pictures – Apollo Films Distribution – France 3 Cinéma -Pictanovo – Elemiah- Charlie Films 2022
★5月5日(金・祝)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町ほか全国にて公開