蒔いた種が咲かす花
「誰もが気軽に境界線なく集まれる場所を作りたくてカフェをやりはじめました。YouTubeにも挑戦しました。やってることは変わっていっても、昔から誰かに声をかけて話を聞くっていうだけで何も変わってないです。
さっきの話には実は続きがあって、こうして私がメディアで取材してもらえるようになったのを、先程話した最も印象深かった子が目にして約20年ぶりに連絡をしてきました。
『見ましたよ。あんなことまだやってるんですか』って。『役に立ってるか立ってないかわからないけど(保護司の時と)同じことやってんのよ』と言ったんです。
すると、『いや、役に立ってると思いますよ』と言ってくれました。思わず『君にそんなこと言われたら嬉しい』と言っていました」
後日、会いに来るはずがないと思っていたその子は、カフェLALALAを訪れた。
現在は立派に社会人として働いていて当時とは見違えていたという。中澤さんは「伝わっていないように見えたけどそうではなかった」と思ったそうだ。
まいた種がどんな花を咲かすのかは誰にもわからない。
取材・文・写真/集英社オンラインユース班