バービー役がハマる奇跡の美貌!

映画『バービー』の再現度がヤバすぎ! 期待しかない映画のストーリーと、マーゴット・ロビー&ライアン・ゴズリングの変幻自在なキャリアに注目_3
Everett Collection/アフロ

2016年にインクルーシブな新バービーが発売されるまで、57年にわたって“非現実的”なプロポーションを美の基準として少女たちに刷り込んできたバービー。マーゴットが演じるのは、まさにそのバービーだ。

にっこり微笑むだけで周囲をパッと明るくする華やかな美貌としなやかな肢体を持つ彼女は、故郷オーストラリアの昼メロで活躍した後でアメリカに渡り、テレビドラマ『PAN NAM/パンナム』(2011〜2012)でハリウッド・デビュー。ヒロインの妹役だったが、時代を先取りする女性という役どころで、女性視聴者の共感を呼ぶことに。

残念ながら番組は1シーズンで終了したが、注目度が上がったマーゴットは、『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』(2013)で大ブレイク。レオナルド・ディカプリオ演じる主人公のセクシーで気が強い妻ナオミを演じた。ノーパンで夫を誘惑しつつも、「触ったらダメ」とハイヒールを顔にぐりぐり押しつける場面は、強烈な印象を残した。

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レオナルド・ディカプリオ(右)と共演した『ウルフ・オブ・ウォール・ストリート』
PictureLux/アフロ

アートハウス作品『フランス組曲』(2014)や『死の谷間』(2015)『アメリカン・レポーター』(2016)などで肩慣らしをし、満を持して出演した大作『ターザン:REBORN』(2016)では、拉致されても自力で戦う現代風のジェーンを熱演。さらに、『スーサイド・スクワッド』(2016)で演じたハーレイ・クイン役で再び大ブレイクを果たした。

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『スーサイド・スクワッド』
Everett Collection/アフロ

サイコな極悪人ではあるものの、奇妙にチャーミングでどこか憎めない“バッドアス”なハーレイ・クインは、彼女の当たり役に。撮影中にマーゴット自身が続編『ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 Birds of Pray』(2020)を企画し、映画会社ワーナー・ブラザーズと契約。プロデューサーも務めたこのアクション快作は、監督も脚本家も主要キャストも女性というウーマン・パワーが爆発した、時代に合った作品に仕上がっている。

『アイ,トーニャ 史上最大のスキャンダル』(2017)の演技を高く評価され、アカデミー賞とBAFTA(英国アカデミー)賞、俳優組合協会賞、ゴールデン・グローブ賞などで主演女優賞にノミネートされ、演技派の仲間入りも果たした。

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『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』
Backgrid UK/アフロ

老けメイクでエリザベス1世を演じた『ふたりの女王 メアリーとエリザベス』(2018)や、悲劇的な最期を遂げた女優シャロン・テートに息を吹き込んだ『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』(2019)、FOXニュースで起きたセクハラ事件を描いた『スキャンダル』(2019)など、3年連続で主要な映画賞の候補となった彼女の立場は、もはや盤石だろう。

作家性の強いデヴィッド・O・ラッセル監督の群像劇『アムステルダム』(2022)とデイミアン・チャゼル監督の『バビロン』(2022)はネガティブな評価も多かったが、マーゴットの演技だけは賞賛されている。

夫や友人と設立した製作会社でプロデユーサーとして活躍し、『プロミシング・ヤング・ウーマン』(2020)なども製作する彼女は現在、ハリウッドでもっとも勢いがある映画人でもある。そんな彼女がどんなバービーを演じてくれるのか、世界中が興味津々だ。