「新車60万円→中古750万円以上」に高騰
「1988年、1989年製のホンダのNSR250Rは発売当時60万円ほどで、2000年代前半にはボロボロのものは20~30万円で売られていました。
うちはそのNSRをフルレストアして5~6年前には150万円くらいで販売していました。それでも高いと言われましたが、今は仕入れるバイクの値段がどんどん上がり、売値は300万円弱まで上がっています。
先日、750万円以上の値で売っているNSRの登録済未使用車があって驚きましたね」
こう語るのは、埼玉県で3店舗のオートバイショップを展開する「MotoUP(モトアップ)」岩槻本店・店長の渡部晋さんだ。
NSRはホンダが1986〜1999年に販売した2ストロークバイクで、レース仕様のマシンをベースに公道で走れるように改良した「レーサーレプリカ」だ。ここ5~6年で約2倍、10年スパンでは5〜6倍に価格が高騰しているという。
同店でメカニックを務める田邉宣人さんは、今値上がりしているバイクを次々と挙げる。
「ホンダNSR、ヤマハTZR、スズキRGガンマなど1980〜1990年代前半に人気を集めたレーサーレプリカだけでなく、各メーカーの旧車の価格が上がっていますね。
1969年、国内で初めてナナハン(750cc)の大排気量のエンジンを搭載したホンダのドリームCB750フォアを代表とするCB系、1980年代にレーサーレプリカブームの火付け役となったヤマハのRZシリーズ。
それから40年以上もつくられた単気筒のロードバイクのヤマハSRや、Z1(1972年発売)とZ2(1973年発売)をはじめ国内外で高い人気を誇るカワサキのZ系、スズキ初の4ストロークエンジンを搭載したGSシリーズ、日本刀をモチーフとしたデザインで人気を集めたカタナ系が代表的です」