立憲の低迷を尻目に躍進する維新

一方、野党第一党の立憲の存在感をかすませた一因となったのが、日本維新の会の堅調ぶりだった。

維新は、小西氏のサル発言やメディアへの圧力問題に、すばやく反応。馬場伸幸代表は、「立憲民主党によくある大ブーメランだ」と皮肉交じりに語り、両党が国会で進めていた協力をめぐっても「信頼関係は完全に損なわれている。問題が解決しない限り、協調は当面の間、凍結だ」と突き放した。

関西地方の立憲関係者が嘆く。

「大阪人が一番嫌いなのが、東京で偉そうにしている、まさに“コニタン(小西氏の愛称)系”。維新の恰好のネタになってしまった」

“サル”発言の小西洋之氏への後手後手対応と遅すぎた処分に立憲前議員が「なぜ気づかないんでしょうか…」と呆然。注目の“コニタン”地元・千葉5区の補選にも暗雲が_2
日本維新の会の馬場代表(本人Facebookより)

今回、維新は大阪の知事選・市長選のダブル選で圧勝し、奈良では初めて大阪以外の公認知事を誕生させ、立憲とは明暗が分かれた。

「大阪人は、天下をとるまでは根気強く応援する。吉本芸人も、全国区になった瞬間に『東京行って、おもろなくなったわ』と言われるが、大阪から羽ばたこうとしているときは、『俺らの芸人』として応援される。
維新も、政権交代はまだ遠そうだからこそ、大阪中心に『俺らの維新』としての勢いが続きそうで、立憲としてはやりづらい」(前出の立憲関係者)

統一地方選前半戦で存在感を示せなかった立憲だが、後半戦でとくに力を入れるのが、千葉5区の補欠選挙だ。

「政治資金規正法違反で罰金の略式命令を受けた薗浦健太郎氏(自民党を離党)の辞職に伴う選挙です。4月1、2日に実施した自民党の情勢調査や、10、11日に地元紙が実施した世論調査では立憲候補がリードしています。自民議員が政治とカネ問題で辞職したわけですから、なんとしても立憲が議席を獲得したいところです」(全国紙政治部記者)