胆石になりやすい食事

また、天ぷらやトンカツなどの脂分の多い食事をとったあとも、胆汁が多量に分泌されるため、胆石が転がり落ちやすい。救急車で腹痛により搬送された患者に最後に食べた食事を聞くことは、この内容を確認する側面もある。

何はともあれ、できるだけこんな痛い思いは避けたいところだ。
我々ができるだけ体内に胆石を生成しないためにできることは明確だ。この胆石のリスクファクターは“4F”と呼ばれている。“F”はFatty(肥満)Forty(40代)Female(女性)Fertile(多産婦)の頭文字をとったものだ。
後半の3F に対しては対策のしようがないので、我々が胆石予防をうながすには“Fatty =肥満”の対策をすることになる。

●予防方法
胆石も脂肪肝と同じように、肥満対策が第一。
・流行りの「ファスティング(プチ断食)」など、夜14時間以上ご飯を食べないのは胆石のリスク。やりすぎは厳禁。
・魚油やナッツにリスクを低下させるという報告もある。地中海食を食生活に取り入れるのもよいだろう。


コレステロールの排泄もうながす
胆汁の役割は脂肪を分解することだと先述したが、もうひとつの役割が“コレステロールの排泄”だ。
肝臓で処理されたコレステロールは胆汁のなかに放り込まれ、そのまま十二指腸に投げ出されたあとは、食事とともに便となり体外へ排出される。

そして特に肥満の方の場合は内臓脂肪=肝臓に脂肪が溜まった脂肪肝の状態になりやすいので、まあ結局ダイエットしましょう、という話になる。

「脂肪肝」といわれるとあまり言葉にインパクトがないのだが、じつは体内では将来の病気を引き起こすためのあらゆる準備を“脂肪”が担っていることは、もう一度意識しておいたほうがよいだろう。