スターへの愛、スターからの愛
「スターが告げるLONG GOOD-BYE」というページでは、アンジェリーナ・ジョリー、レオナルド・ディカプリオ、ダイアン・レイン、クリント・イーストウッド、アン・ハサウェイ、リチャード・ギア、マーク・ウォルバーグ、ラッセル・クロウらが「ロードショー」を手に持ち、思い出を語っている。6ページにわたる特集だ。
「どういうこと、ロードショーがなくなるって!? どういう意味? 良い雑誌なのに、なぜ?」(レオナルド・ディカプリオ)、「いい雑誌が、またひとつ減っちゃうのね」(アンジェリーナ・ジョリー)、「オーノー! 私のキャリアのはじめからお世話になってるのよ。何十年も取材してもらってきたのに!」(ダイアン・レイン)
19人ものセレブのコメントを入手できたのは、創刊時から執筆してきた、ハリウッド外国人記者クラブの先輩・中島由紀子さんの努力の賜物だ。
前述の“淀川長治賞”の受賞者(2004年)で、いまや日本を代表するハリウッド俳優となった真田広之も、「子役の頃に、後の俳優人生のために何をすべきか模索していた時期に、“ロードショー”誌はまさに夢への扉、バイブルのようでした」とのコメントを提供している。
さらに、「ロードショー」と縁の深いジャッキー・チェンには北京で独占取材を敢行。「雑誌はなくなってもロードショーの心は形を変えて生き続けていると思います。いつかまた別の場でお会いしましょう」という嬉しいメッセージを寄せている。
創刊号から「ロードショー」はずっとスターを追いかけてきた。休刊というきっかけがあってはじめて、その愛がしっかり伝わっていたばかりか、一方通行ではなかったことを確認できたのは、編集部にとって大きな大きな慰めであったに違いない。
◆DATA◆
★「ロードショー」の表紙を飾ったスター:総勢142人(ベビーとE.T.をのぞく)
★最多登場男優:ジョニー・デップ(20回)
同 女優:フィービー・ケイツ(19回)