「THE FIRST TAKE」出演で話題のVTuber界の歌姫・星街すいせい「本番当日は必死に眠気とたたかってました…」「近づけないのが悔しい」と初めて明かす思いとは_3

VTuberになる前に目指していたのはアニソン歌手や声優?

――そんな星街さんの歌のルーツが気になるところですが、配信などではこうした質問に「どう答えたらいいか困る」とおっしゃっていました。その理由が気になります。

“歌のルーツ”と言われても、カラオケによく行っていたくらいで、そんな劇的なものはないというか……(笑)。むしろ、昔は美術部に入っていて、歌とは縁遠いものを学んでいました。でも、音楽や歌うこと自体は好きで、アニソン歌手や声優さんに憧れていましたね。

――そうした憧れがあったのに、なぜVTuberを選んだのでしょう。

アニソン歌手とか声優さんに憧れていた頃に、「VTuber」という言葉を世界に知らしめたキズナアイちゃんが、バーチャル姿のYouTuberとして大活動して世間に注目されていたんですよ。それを見て、“私もVTuberになれば注目してもらえて、ゆくゆくは歌を歌えるかも!”と、VTuberになることを決意して、2018年の3月から個人勢としてデビューしました。

――“個人勢”とは、事務所やグループに所属せずフリーで活動していたということですよね。最初はどこにも所属されていなかったのを意外に思われる方々もいそうです。

当時は注目されないとなにもできないと思っていたので、何を思ったのか「少年キャラと指ぬきグローブに目がない」とか、意味もなく自分のフェチを晒したりしていました……。

でも、真面目な歌コンテンツにもチャレンジしていて、2018年11月に1stオリジナルソングの『comet』を出して、自分でMVも作りました。ありがたいことに、その年の12月に同じく個人勢VTuberの歌衣メイカさん主催の『V紅白歌合戦』というイベントで、“このVTuberさんがすごいよ”と取り上げてもらい、チャンネルの登録者数が一気に2000人くらい増えたんです。

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個人勢時代の星街さん

――下積み時代を過ごされた星街さんが、今の“Vシンガー”とでも言うべき立ち位置になったのはいつだったのですか。

2019年になってホロライブプロダクションのオーディションを受けたんです。そのときの面接には“YAGOO”こと谷郷社長もいました。「こんなこともできます!」ってグイグイアピールしたら、YAGOOさんも「いいですねぇ〜」って笑顔で答えてくれて、「これはいける」って思っていたんですけど、落ちまして(笑)。

YAGOOの愛称で知られる谷郷元昭社長は、過去に盆踊りを披露したことも

でも、まだ好感触ではあったので、あきらめきれずにもう一度メールを送って「面接してください!」って頼み込みました。

その結果、「今、イノナカミュージックという音楽レーベルを立ち上げているので、そこ所属だったら」と言ってもらえて、2019年5月にカバー所属になりました。前置きが長くなりましたが、そのタイミングで「音楽レーベル所属だし、ちゃんと歌を勉強してたくさん歌うぞ!」と決意して、その後ホロライブに移籍して今に至る感じですね。