「吸えますか?」毎日3件の問い合わせ
喫煙できる店が減少した今、「タバコ吸えます」といった目立つ張り紙をしている飲食店も見かける。
そのほうが商売繁盛しそうだが、「ビアンコ」では入口の小さな掲示にとどめ、喫煙可を前面に打ち出しているわけではない。
「変わらない店であり続けたいという思いで喫煙の許可を取ったので、あえてそれをうたってはいなんです。
ここ数年の変化といえば、『タバコは吸えるんですか?』『紙タバコもOK?』と電話がかかってくること。毎日3件くらいは問い合わせがあります」
いまや都会では希少な喫煙スペース。一服がてら一日に数回、店を訪れる常連客もいるという。食事メニューの評判もあってランチタイムには満席になることも。
喫煙OKは店の回転率に影響出そうだが。
「創業時から食事処ではなく、くつろげる喫茶店としてやってきたので、ランチタイムでも時間制限などは設けていないんです。
待っているお客さんに『いつ席が空くかわからないんです』とスタッフが伝えるようにしていて。
すると、『一服できたから行くよ』とお客さんが席を譲ってくれたり、同じ会社の人を見かけたら誘い合って相席にしてくれたり、常連さんに助けていただきながらやってます」
そう話す平山さんが淹れてくれたコーヒーには一口チョコレートが添えられていた。このチョコのサービスもずっと変わらないのだとか。