日系ギャングの台頭
日本には現在、約30万人の日系人が暮らしている。その中には地球の裏側にある南米からの移民も多く、出身国はブラジルを筆頭に、ペルーやボリビアなどの出身者がいる。
メディアでしばしば日系人が犯罪を起こしているニュースを見ることがある。2023年3月にも、ブラジル国籍の人間が違法ドラッグで逮捕されたり、住居に侵入して100万円相当の品を盗んだり、ホテル代を踏み倒して従業員を車ではねて逃亡したりしている。その前の月には警察からパトカーを盗んだ者もいた。
もちろん、大半の日系人は法律を守り、きちんと生活をしている。ただし、ごく一部の人たちは、日本での生活に困窮する、差別を受けて考え方がゆがむ、あるいは最初から犯罪目的で入国するなどして事件を起こしている。
事実、東海地区の少年院では在院する少年の1割前後が日系人をはじめとした外国人で、刑務所の受刑者の中でも一定数を占めている。
私はこれまでこうした在日外国人の犯罪を度々取材してきたが、ギャングの構成員に話を聞くと、主なシノギは違法薬物である。しかも、そこには日本人を中心とした反社会的勢力との絶妙な棲み分けがなされているという。そこで、日本に20年ほど暮らすギャングの中心人物に話を聞いた。