「(自分は)クリエイターだと思ってる」
彼の能力は情報収集力だけでなく、独特なワードセンスをはじめとする感性だ。「まるでクリエイターですね」と投げかければ、「だと思っている」と返す口調も決して悪ノリではなさそうだ。
「こんなこともあったな。港区の超高級ホテルに一度に何人も女の子を呼ぶ超富豪がいたんだよ。100億円じゃきかない1000億円単位の富豪だ。それで、複数の女の子を四つん這いにさせて犬の首輪をつけて室内を散歩させる。中には薬物を強要するのに近い形でやらせるケースもあると聞いている。水に溶いた覚せい剤を局部に塗りこむ性癖、もう普通じゃいられないんだろうな」
まるで漫画と思えるぐらい一概には信じがたい話だが、確認したところ、この事件は他誌でスクープされており、その超富豪は会長職を辞した。この一連のスキャンダルは、Z李氏が先駆けていたのだ。
驚くべき情報網もさることながら、Z李氏がカリスマ的なインフルエンサーとなったのは独特なワードセンスも理由のひとつだろう。本のタイトル『飛鳥クリニックは今日も雨』にもなっているクリニックは、歌舞伎町の片隅に実在するクリニックをイメージしているという。
「そこのクリニックは“新宿の住人”ご用達のクリニックなんだけどな。普通の病院に行けない事情があるとかそういうやつも差別なくみてくれる」
訳アリサイドのクリニックが今日も雨。物悲しくもどこかユーモラスな不思議な感覚になる。歌舞伎町をサバイブしてきたZ李氏ならではの視点だろう。
後編では「スシローペロペロ事件」を含めたネットの糾弾文化や、Z李氏、滝沢ガレソ氏などの人気インフルエンサーが“第3のメディア”として機能し始めていることについて聞く。
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班