韓流ファンはどんな人びとか?

韓流文化はこうして新大久保の街を近年大きく変えているが、ではこの韓流文化はどんな人に、またなぜ愛されているのだろうか。

先と同じ調査によれば、まず現在の韓流ファンはあくまで若い女性たちを中心としていることがわかる。韓流ファンのことを、Kドラマを好み、K-POPを愛好する人びとと定義すれば、これらの人びとは、女性が有意に多く(図1 15歳〜19歳、20歳〜29歳とそれぞれ64.2%、64.0% 1%水準以下)、また若年層が中心となっている。

K-POPやKドラマ好きは“自分の容姿に自信がある勝ち組”!?  新大久保の街の変化から見る“韓流ファン”の正体とは_4

かつて2000年代中頃に『冬のソナタ』がブームになった際には、中高年の女性が韓流ブームを支えているといわれた。しかしそれから20年弱、すでにかなりの世代交代が起こっていることが、この調査からは浮かび上がるのである(図1)。

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図1 韓流ファンの世代別割合 (N=2037)

さらに細かな特徴をあきらかにするために、韓流ファンのうち15歳から39歳までの女性たちにデータを絞ると、彼女たちはファッションへの関心が強く、友達も多く、流行には敏感で、自分の容姿はいいと思っていることが確認された(表2)。

つまり韓流ファンは社交的で、流行を取り入れ、外面に気を使う傾向が強い。こうしたコミュニカティブな傾向は、全体と比べても、また日本のドラマやJ-POP、またはアニメなど別の趣味を持つ層と比べてもしばしば高くなっている。

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表2 韓流ファンの傾向(%) **は1%以内、*は5%以内で有意  上位2つの数値に色付け