最も個人的なテーマを扱った『フェイブルマンズ』

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1月に行われたゴールデン・グローブ賞授賞式で、キャストに囲まれるスピルバーグ(右から4人目)
©️H.F.P.A
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1月に発表されたゴールデン・グローブ賞で、作品賞と監督賞を受賞。アカデミー賞でも両部門の有力候補として注目されている『フェイブルマンズ』(2022)。

『ジョーズ』(1975)『E.T.』(1982)『インディ・ジョーンズ』(1981、1984、1989、2008)シリーズ、『ジュラシック・パーク』(1993、1997)シリーズ、『シンドラーのリスト』(1993)『プライベート・ライアン』(1998)など、スティーヴン・スピルバーグ監督の大ヒット作品リストは長い。

『続・激突/カージャック』(1974)で商業映画監督デビューをして以来、76歳の現在までに監督した作品の総興行収入は102億ドルを記録。ハリウッドNo.1監督であるスピルバーグ作品の中で、『フェイブルマンズ』は最も低予算、かつ個人的なテーマを扱っている。

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『フェイブルマンズ』
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スピルバーグは『フェイブルマンズ』について、「この映画の最大のチャレンジは、目の前によみがえる自分の過去に、感情的にならずに距離を置くことだった」と語り、「普段は自分のことを話すのが苦手なのに、この映画の撮影中は朝から晩まで自分のことばかり。素晴らしいキャストの演技を見ていて、やっと自分と自分の家族の過去から距離をとれるようになった」と笑っていた。

撮影では、彼が生まれ育った家をサウンドステージ(撮影用防音装置付きスタジオ)に再現。デジタルではなくフィルムを使って丁寧に撮影し、時代背景なども含め、手作り感ある仕上がりになっている。多感でイノセントだった彼の青春時代を投影した役柄、サミー・フェイブルマン(ガブリエル・ラベル)の視点を通し、観客は物語に違和感なく引き込まれ、アメリカの60年代を肌で感じることができる作品だ。