ダンスの仲間や先生に“人間”にしてもらった

――でもダンスと歌が、強い武器になりました。

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「お父さんはカメラマンで、お母さんはアイドルを目指して上京して、ふたりともバンドマンだったという環境はあるかもしれない。4歳の頃、幼稚園の入園式で、ジッとしていられずに園庭を走り回った私に、ダンスを習わせてくれたんです。
でもダンスを続けさせてくれたことは、お父さんとお母さんからのプレゼントだと思ってます。お母さんは、『学校は休んでもダンスは行け』というようなちょっと変わったタイプだったし、お父さんはダンスの月謝がいくら高くても払ってくれました。

「Bishはずっと続くと思っていた」今年6月の解散を前にアイナ・ジ・エンドが振り返るこれまで。「ハグ・ミィが脱退して気持ちがグシャグシャになった」_6

小さいときは、お父さんのことをあんまり好きと思えなかったし、お母さんのことを“母親”ってあまり思ったことがなくて、どちらにも心置きなく喋れる感覚がなかった。家族のことをあんまり信頼出来てなかったんだと思います。甘えたい、でも甘えられない……って。

でもダンスの仲間や先生に、“人間”にしてもらいました。
それまでずっとうまく喋れなかったんです。口先だけで喋って薄っぺらかった。そんな自分をしっかり叩き直してもらいました」

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――大人になってからの、家族との関係は?

「上京するとき、お父さんが新幹線のグリーン車に乗せてくれたんです。一緒に家を決めて、新宿でコーヒーを飲んだりした思い出があります。
一昨年、紅白歌合戦に出られるってなったときに、お父さんが大阪から観に来てくれたんです。終わったら一緒に帰ろうかって言ってたけど、その後テレビの生放送があったので、結局お父さんだけ新幹線に乗って帰っていった。
そのときのことを、『行きの新幹線はすごく心細かったけど、もし帰りにグリーン車でアイナと一緒だったら、紅白に出た歌手を連れて帰ることになったんやな……こんな夢のある話はない』って泣きながら話してくれて。
それはすごく嬉しかったです。紅白出場を喜んでくれて」