リスナーからのお便りで朝まで涙が止まらなかった
「清掃員(*BiSHのファンのこと)から手紙をもらうんです。読んでいると、じわじわと溜まっていた毒が溢れて流れるように涙が出るなんてことがあって」
この後編で最初にアイナ・ジ・エンドが語るのはファンからもらった手紙について。
「高校3年生の男の子からこんな手紙をもらいました。私のソロツアーが新潟で開催されることが発表されたとき、『新潟がある!』って自宅の階段を駆け下りてリビングに行って、ママに『チケット買って!』っておねだりしたって……。
読んだときに、すごく涙が出てきた。新潟に行ってよかったな、とか、もしかしたら誰かの未来が変わるかもしれないようなライブができたのかな、とか。自分がいちばん下っ端だって思っていたけれど、自分よりも若い世代の子たちが、その気持ちを文字にして送ってくれるってことに泣いてしまった。“人の生活”ってものに、涙します。
たとえばケーキ屋で働いてる女の子が、『アイナちゃん知ってる? ショートケーキを眺めるお客さんの目ってキラキラしてるんだよ。ケーキを作るって、人のキラキラを作り出せるんだよ』って手紙をくれたこともあった。ハッピーのおすそ分けみたいな内容です。
ああ、人の生活ってこうやって営まれてるんだ。じゃあ私も生活頑張ろうって。感謝を感じるし、私のほうこそ救われているのが手紙ですね。
「アイナLOCKS!」(アイナがパーソナリティを務めるTokyo FMのラジオ番組)にきたお便りで、『学校からいなくなって死にたい日々です』っていうのがありました。そのときはラジオが終わっても朝まで眠れなくて涙が止まらなくて、『あの子が死んだらどうしよう』って、なにも言えなかった自分を責めていたんです。
いまそこは乗り越えて、精一杯その子に何かを伝えられるように私は私の人生を頑張ろうって思えるようになりました」