悩める若手タレントへ
――事務所をやめて、フリー宣言をしたのはそれが理由ですか?
いえ。最初に所属した事務所は、大人の事情というやつで解散することになり、私は担当してくれていたマネージャーについていくことになったんですが、そこからいきなり5人で会社を作るという話になりまして。最初に言われたのが、「月100万円稼ごう」ということでした。
――1人100万?
だと思いますよね? でもそうじゃなくて、他の4人(マネージャーの地元の友人)は仕事を取ってくるのが仕事で、現場は私1人。で、給料は均等割ということで1人20万円ずつにしようと決まってしまいまして。
――納得できるような、できないような話ですね。
いや、それでも仕事をとって来てくれれば、それはそれでしょうがないかとなるんですけど。現実は何も仕事を取って来なかったですし、やりたくないYouTubeをやらされそうになったり…。私はただ普通の芸能活動がしたかっただけなんですけどね。何度か方向性について話し合いをしましたが、結局理解し合えることはなく。
運よく、最初に講談社さんから、写真集を出しませんかというお話をいただいていたので、数ヶ月はそれでもなんとかなったんですが、ある日いきなり会社にお金がないから給料を半分の10万円にすると言われちゃいまして。
――堪忍袋の尾が切れた?
私一人が稼いでいるのに減給されて、『やってられるかよ!』と、バックれるくらいの気持ちでしたが、きちんと話し合って「やめます!」と宣言をして。で、今に至るという感じです。
――講談社から出した第2弾の写真集『水蜜』は、フリーになってからですよね。
そうです。まさかフリーになってから、写真集のお話をいただけると思っていなかったので、驚きましたし嬉しかったです。もう本当に講談社さんのお世話になっています(泣)。
――初めてのヌードでした。抵抗はありませんでした?
脱ぐこと自体には、そこまでの抵抗はなかったです。ただ出来上がった写真集を見て、「ちょっと脱ぎすぎちゃったかなぁ」とは思いました。予想以上にスケスケ感が強くてちょっとだけ反省しました(笑)。
――これも脱ぎすぎたから売れたのか、売れたものがたまたま露出が多めだったのか…。そこはビミョーですが(笑)、大事なのはこれからです。
そこです! グラビアは好きだし続けたい。脱ぐのはいまよりちょっとだけ控え目で(笑)。バラエティ等の仕事にも興味があるので、出られるものなら出たい。グラビアが3で、バラエティが2。残りの5は執筆やドット絵など、クリエイーター的な仕事をやりたいと思っています。
性格的にはひきこもりで集団生活が苦手。家でひとり作業をしているのが好きなので、執筆やイラスト制作などの仕事にも力を入れていきたい!
仕事の幅を広げる為に、ちゃんとしてる(笑)事務所さんと業務提携したり、今年はたくさん活動報告をできそうでワクワクしています。
――最後に、東京を目指している女の子たちに伝える言葉があるとしたら?
そうですねぇ、まずサービス残業はしない。
知らない大人の言葉は、簡単に信用しない。
違和感を感じたら、ちゃんと離れる。
イヤなことは、はっきりイヤと伝える。
ギャラは、ちゃんと貰う。
金額が安すぎないか、疑いの気持ちを持つ。
それともうひとつ、小さな水着に要注意。
……ですかね。
――ハードな経験を乗り越え、幸せにタレント業をやられているのはすごいです!
今悩んでるタレントさんや、この春上京を考えている10代の子たちは、反面教師にしてほしいですね。でも、茨の道のようでもやり続けていればいつか光が見えてくる。それが今の私ですと伝えたいです。
取材・文/工藤晋 ヘア&メイク/野中美希 写真/栗山秀作