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再逮捕容疑は6月19日に穂坂修君(6)の遺体を銀色のスーツケースにいれて、自宅から約1キロのところにある草むらに遺棄した疑い。この事件は神戸市西区のアパートで暮らしていた家族6人の中で起こっており、きょうだい4人に監禁されていた祖母が逃げ出したことから発覚した。兵庫県警は修君が死亡に至った過程と遺棄した経緯について慎重に調べを進めている。
社会部記者が語る。

「修君の祖母は、大地容疑者が『修君の遺体をスーツケースに入れて隠すように3姉妹に指示をしていた』と供述しています。また、修君の遺体は背中を中心に打撲によるあざが多数あったことが司法解剖によってわかっています。大地容疑者が家族を支配する形で犯行が行われた可能性が高いと県警は見ています」

事件の取材を進めるうちに4人きょうだいがかつてすごした複雑な家庭環境や虐待の連鎖の詳細なども浮き彫りになっていった。改めて詳報する。

主犯は次男の大地容疑者か

母親はシングルマザーで、逮捕された4人に長男を加えた5人の子供とともに、神戸市垂水区の公営団地で長年暮らしていた。西区のアパートに転居してきたのは沙喜容疑者がお腹に修くんを宿していたころのようだ。当時は母親と3姉妹だけが入居し、後に修くんが産まれ、大地容疑者が同居するようになったのは昨年からとみられる。
社会部記者が語る。

「逮捕された4人のうち主犯格は大地容疑者で、彼が昨年末に同居するようになってから修くんは保育園を休みがちになり、きょうだいを支配したとみられている。双子については警察がマスコミに写真や映像を撮らせないように配慮していることからも、関与の度合いも低いとみられます」

移送される際の大地容疑者(写真/共同通信社)
移送される際の大地容疑者(写真/共同通信社)
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保護された母親は普段から車いすで、移動もひとりでは困難なことから脱出時には協力者がいた可能性がある。

「複数の被疑者が知的障害者向けの療育手帳を持っていましたが、警察が実名発表に踏み切った以上、責任能力はじゅうぶんにあるとみています。沙喜容疑者は高校卒業後は携帯電話販売会社や保育園、夜の店でも働いていましたが、修くんを出産してからは無職でした。戸籍上では父親が確認できませんが、相手は水商売時代に出会った男性といわれている、県警も所在確認に苦労しています」

母親が沙喜容疑者ら子供たちの育児にあまり熱心でなかった様子は♯1で報じたが、取材を進めるうちに穂坂一家が周囲から浮いていた存在だったこともわかってきた。

垂水区の団地の住人はこう語る。

「長男も次男の大地くんも粗暴で、投石や女の子に殴る蹴るなどの暴力を振るうだけでなく、飼っていた雑種犬を木の棒で叩いたりしていましたよ。キャンキャン鳴いて必死で逃げる犬を、ヘラヘラ笑いながら兄弟で叩いてたんです。まだ2人とも小学校高学年くらいでしたけど、その残虐性には大人の私でも引いてしまいました。母親から虐待を受けていることも有名でしたから、問題児だけど可哀想な子たちって印象でした」

かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン)
かつて一家が住んでいた集合住宅(撮影/集英社オンライン)

沙喜容疑者の同級生の父親も、今回の事件については思うところがあるようだった。

「正直な、あの子ら悪いことしてるってわからんかったと違うかな。小さなころからあの5人きょうだいは知っとるけどな、特に大地はちょっと度が超えてるとこがあった。人んちに向かって石投げとったりもして、俺も怒ったことあるんだけど、悪いことしてるってわかっとらん反応だったんや」