過去には保育園や携帯ショップで働いていたが…

4人の逮捕容疑は、6月20日ごろまでの約3カ月間、自宅内の押し入れに施錠をして母親を監禁、6月19日ごろに鉄パイプで背中を殴打してけがをさせた疑い。母親は4人が出かけたすきに逃げ出し、20日夜に車いすに乗った状態で神戸市垂水区内の路上で保護されて事件が発覚した。県警が4人の行方を探していたところ、22日午後3時ごろ、神戸・三宮のセンター街で4人を発見、修くんの遺棄場所も割り出した。県警は司法解剖をして死因を調べる方針だ。

穂坂一家が暮らしていた集合住宅(写真/共同通信社)
穂坂一家が暮らしていた集合住宅(写真/共同通信社)
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一部報道では修くんは自宅の2階ベランダに閉め出されて近所の人に「助けて」と叫ぶ姿も目撃されていたという。また、数日前に4人組の男女が頭からフードを被ってスーツケースを自宅から運び出すのを見た近隣住民もいたという。

社会部記者が解説する。

「一家は10年ほど前から今の集合住宅に引っ越してきており、逮捕された4人はともに無職で、複数に知的障害がある可能性が高い。修くんの母親の沙喜容疑者は障害者スポーツの大会に陸上選手として出場したことがあり、過去には保育園や携帯ショップで働いていた」

修くんは、体にひもを付けて歩かされていたり、近隣住民が修くんの家から頻繁に怒鳴り声を聞いていたことからも虐待を受けていた可能性が高い。
そのいっぽうで、沙喜容疑者がボーイフレンドとともに修くんと買い物に行く姿も目撃されている。

「行政は6年近く一家を支援しているようだが、修くんの父親が誰かは把握できていない。また沙喜容疑者や他のきょうだいは、幼少期に修くんと同じような虐待を母親から受けていたとも言われている」(社会部記者)

穂坂家がかつて暮らしていた集合住宅の近隣住人が証言する。

穂坂一家が暮らしていた集合住宅(撮影/集英社オンライン)
穂坂一家が暮らしていた集合住宅(撮影/集英社オンライン)

「穂坂さん一家はこの団地に10年以上前まではお母さんときょうだい5人で住んでました。上から沙喜さん、長男、次男の大地さん、下に双子の女の子ですね。まだ子供たちが小学生の頃、上の子3人は母親から虐待を受けてたようです。夜9時を過ぎても団地の公園や階段部分でランドセルを背負ったまま家に帰らない子供たちの姿を見ましたし、体にはよく大きいアザもつくっていました。

ひどい時には長男が頭に怪我をしていてネット包帯を被ってました。夜に子供が外にいた時、心配なのでうちで保護してあげて、話を聞くと自分から進んで詳しくは言わないものの、『お母さんに殴られたの? 叩かれたの?』と聞くと『うん』と頷いてました。

自分だけでも長男は2回、大地くんは1回保護したことがあります。まだ当時は虐待とかで騒がれる時代じゃなかったから、保護して警察に連絡をしても母親の元に返されるだけでした。沙喜さんのことは保護したことはないものの、私の娘にはボソッと母親からの暴力を漏らしていたそうです。母親を監禁するなんて恐ろしいことですが、昔虐待されてできた心のキズが影響しているような気がして、いたたまれない気持ちになります」