「決して調子に乗らないように」
5月14、15日、日本維新の会の馬場伸幸代表は、大阪市内で開いた研修会で、新人の首長・議員約350人に口を酸っぱくして何度も繰り返した。
「決して調子に乗らないように」維新が新人議員に研修でクギも、センパイ議員は“やらかし祭り”。府議団代表がストーカー報道、梅村みずほ氏はハンスト発言で大炎上!
統一地方選で、「地方議員を1.5倍の600人にする」という目標を大きく上回り、非改選と合わせて774人の首長・地方議員を誕生させ、上げ潮ムードの日本維新の会。ただ、これまでには議員のスキャンダルも多々あった。5月14,15日には、新人議員向けに研修会を開いたが、さっそく「問題議員」がメディアを騒がせている。
当選無効の申し立て、運動員買収
玉石混交の新人に馬場代表がクギ

キャプ:馬場伸幸代表(本人facebookより)
全国紙の政治部記者が語る。
「維新はこれまでにも所属議員や首長が、政治とカネ、パワハラ、セクハラ、問題発言、暴力などさまざまな不祥事を起こしてきた苦い経験があります。今回、300人以上の玉石混交の新人が誕生したことで、永田町からは『またやらかす』と冷ややかな目線が注がれていますが、執行部は、少しでも『やらかし』を減らしたい考えです」
今回の統一地方選でも、埼玉県議選で当選した女性が「住所要件を満たしていない」として当選無効を求める異議申し立てが出されたり、愛知県議選に出馬した候補者が運動員に報酬を支払ったとして逮捕されたりと、さっそく問題が相次いでいる。
維新の議員が「玉石混交」と言われる背景には、他党とは異なる候補者集めの事情もありそうだ。
「同じ野党でも、立憲は秘書経験者や地方議員経験者が多い。自民党はそもそも現職が多く、新人として立候補するのは簡単ではない。
その点、維新は選挙ごとに勢力拡大を図り、ネット広告を積極的に出して公募をかけているので候補者になりやすい。先の統一地方選では、定数が数十人の都市部の選挙区で、数少ない維新の候補者として出れば、それだけで上位当選できるところも多かったのです」(前出の全国紙政治部記者)
新人向けの研修会では、大阪府の吉村洋文知事や、音喜多駿政調会長も登壇し、議員としての心構えを説いた。

「ハンスト発言」で物議をかもした梅村みずほ氏(写真/共同通信)
驚愕! 梅村みずほのハンガーストライキ発言
だが、新人が見習うべき維新の「先輩」たちの「お騒がせ」ぶりが目立つ。研修会の2日後、文春オンラインが、「大阪維新の会」の府議団代表が30代の女性議員にストーカー行為をした疑惑を報道。既婚者にもかかわらず、女性議員の自宅を深夜に訪れ、インターホンを押したり、しつこくLINEや電話をしたなどと報じた。
永田町では、入管施設で亡くなったスリランカ人のウィシュマ・サンダマリさんをめぐって梅村みずほ参院議員が「ハンガーストライキによる体調不良によって亡くなったのかもしれない」と発言。
維新は18日、質疑で党の指示を守らなかったとして、梅村氏を参院法務委員会の委員から更迭すると発表した。

パワハラ疑惑が報じられた笹川理氏(本人facebookより)
各地での「やらかし」はこれまでにも様々あった。
家庭用サウナ持ち込み、年金未納に、「モウショウ」発言
元衆院議員の男性になりすまし、「旧統一教会の式典で元衆議院議員として偉大なる韓鶴子様に韓日トンネルへの賛意と、祝辞を述べさせていただきました!」とのビラを選挙区に配布したのは、当時維新で現職の福岡市議だった堀本和歌子氏。

堀本和歌子氏。4月の福岡市議選挙ではまさかの再出馬だったが敗戦した(本人facebookより)
謝罪会見では、情感たっぷりに「旧統一教会の献金問題で自殺や二世の被害者の方たちが多数いることに、私はすごく、心が痛くなったんです」と鼻をすすったが、「今になってちゃんと理解して、『モウショウ』しているところです」と、「猛省」を読み間違え、記者らを唖然とさせた。

現在は政治家女子48党副党首の丸山穂高氏(本人facebookより)
ほかにも、当時衆院議員だった丸山穂高氏が、北方領土問題をめぐって「戦争をしないとどうしようもなくないか」と発言したり、大阪府池田市の市長が市役所に家庭用サウナを持ち込んだり、中条きよし参院議員が年金を35年間納めていないことが発覚したりと、不祥事は枚挙にいとまがない。
度重なる失敗に
立憲は「本性が出てきている」
一方、野党第一党の座を維新に奪われる危機に瀕している立憲民主党。このところ、泉健太代表が次期衆院選で150議席を獲得できなければ辞任する考えを示し、Twitterで「覚悟と決意を示した」と投稿したことに、蓮舫参院議員が「こういう弁明はどうなのか」と反発。
それに対し泉氏が「なぜ、こんな投稿をTwitterでされるのですか?やめませんか」とつぶやき、その後削除するなど混乱が続く。

蓮舫議員(本人facebookより)
党内からは「ただでさえ厳しい選挙で、さらに逆風がふく。でも、維新のスキャンダルがどんどん出れば、有権者も維新になびかなくなるのでは」との声も漏れる。

写真/shutterstock
逆に維新は上げ潮ムードだが、これ以上、「問題議員」が相次ぐようだと、野党第一党の座は遠のくばかり。
サミット後にあるとの見方が強まっている次期衆院選で、決着がつく。
取材・文/集英社オンラインニュース班
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