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強盗に走る男、売春に陥る女

2023年1月に東京都狛江市で高齢女性が暴行されて死亡する強盗殺人事件、5月には銀座ロレックス強盗事件が起きた。狛江市の事件では21歳の土木作業員、19歳の大学生を含む4人の実行犯が逮捕され、銀座の事件は犯人全員が19歳以下の未成年だったことで戦慄が走った。

一方、歌舞伎町の大久保病院前では毎日、日本人の街娼たちがズラリと並んで売春行為が繰り広げられる。「たちんぼ」と呼ばれる違法行為をするのは、主にZ世代の女性たちで、カラダを売る理由は、昼間の仕事の給料が安い、大学の学費のため、「推し活」やホストクラブ代などなどさまざまだ。

女性や若者を直撃する日本の貧困問題、世代格差は行きつくところまで到達し、男の子は闇バイトで強盗、女の子は売春という異常な事態を生んでしまっている。戦後の混乱期に頻発した強盗は重罪であり、女性の街娼行為は売春防止法で厳しく禁止される。にもかかわらず、一線を越えてしまう若者たちがあとを絶たない末期的な状態となっている。

筆者は女性を中心に貧困問題の取材を続けるが、現在の日本の貧困化の分岐点となったのは2004年だ。深刻な少子化が進行し、国や自治体、親たちが大切に育てた男の子たちが強盗となり、女の子たちを売春婦にさせている凄惨な現状を見ると、政府は舵取りを圧倒的に間違ったとしか思えない。

【オンライン授業は風俗の個室で】学費のためにカラダを売る学生が急増中。日本の貧困を本格化させた「2004年の分岐点」とは?_1
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