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エンタメ 2022.12.22

【本日最終回】ドラマ「silent」はなぜ中高年男性の心をつかんだのか。カギは“現実的な演出”と“異様に遅い展開”にあり?

TVerでは過去最高の再生回数を記録し、ロケ地は“聖地巡礼ツアー”に訪れるファンであふれるなど、社会現象化したドラマ「silent」がいよいよ最終回を迎える。恋愛ドラマとしては異例ともいえる中高年男性の支持を集めた同作。その背景にはなにが?

  • 松永多佳倫
  • #鈴鹿央士
  • #夏帆
  • #silent
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  • #世田谷代田駅
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中高年男性の涙腺が緩みまくった理由

【本日最終回】ドラマ「silent」はなぜ中年男性の心をつかんだのか。カギは“泣かせる演出”と“異様に遅い展開”にあり?_1

2015年以降、ドラマの低迷が深刻化し、世帯視聴率が二桁いけば御の字とされ、人々の楽しみはYouTubeへと流れていった。しかし、ここ1、2年の間で人々の“こころ”に刺さる作品が出てくるようになった。

菅田将暉主演の『ミステリと言う勿れ』や吉高由里子主演の『最愛』など、ストーリー上にある伏線を回収する、いわゆる「考察ドラマ」が人気を博しているのだ。

そして、今クールにおいて圧倒的に支持されているのが、川口春奈主演のラブストーリー『silent』だ。ミステリーやサスペンスが考察ドラマとして君臨するのはわかるが、ラブストーリーが考察ものとなること自体が異例であり、それがまた異質の魅力となっている。

TVerでは過去最高の再生回数を記録し、ロケ地には”聖地巡礼ツアー”に訪れるファンがあふれるなど、純愛ラブストーリーの『silent』がなぜこんなにも話題となっているのか。

まず、この『silent』、ナインティナインの岡村隆史やジャングルポケットの斉藤慎二、パンサーの向井慧ら芸能人をはじめとした、中高年男性からの支持が多いのが特色だ。自身とはふたまわり以上違う若者たちが登場するラブストーリーになぜ、中年男性がハマるのか。
ここに話題となる秘密が隠されていると言っても過言ではない。

人間の欲や嫉妬を描かない演出

【本日最終回】ドラマ「silent」はなぜ中年男性の心をつかんだのか。カギは“泣かせる演出”と“異様に遅い展開”にあり?_2

ロケ地の世田谷代田駅は、“聖地巡礼ツアー”で訪れるファンであふれている

その理由のひとつとして、このドラマには、涙腺をゆるませる切ないシーンがふんだんに入っていることが挙げられる。お約束のお涙頂戴シーンを嫌が応にもぶつけてくるのではなく、通常のドラマだったら端折るようなシーンもあえて取り上げ、心の機微を丁寧に表現していることが、見る者の心に響くのだろう。

誇張した演出ではなくあくまでも現実的で、その内容はいたってシンプルなのだが、中年層にとってはそれが「理想」や「憧憬」に似た感覚になるのかもしれない。それだけ今が中年層にとっては生きづらい世の中になっているということだろうか。

『silent』における特筆すべき人間模様の障害は、“言葉の壁”だ。かつて本気で愛した恋人(紬/川口春奈)と音のない世界で出会い直し、言葉の壁にぶつかりながらも乗り越えようとする想(目黒蓮)の姿は、中年層が抱える現在進行形の試練と重なってしまうのかもしれない。

主人公だけではない。好きな人を想い、本気で応援する紬の元恋人の戸川湊斗(鈴鹿央士)や、感情が一時的に表出するも、内省により冷静さを取り戻し、懸命に毎日を過ごす桃野奈々(夏帆)の姿も共感を得ている。

思えば1900年代のドラマは、人間の黒い部分(欲や嫉妬)といったものが誇張され、それがインパクトとなり人々の心を惹きつけていた。大映ドラマしかり、昼ドラしかり、月9にしたって渦巻く強欲が必ず介在してきていた。

しかし、『silent』の登場人物たちには黒い部分がない。どんな人間にも内包する悪感情が一切入っていないのだ。中年層が長年の経験と引き換えに失ってしまった人間のシンプルな姿が、瑞々しいほど自然に描かれている。だから見ていて惹かれてしまうのだ。

異様に遅い進行と「フラッシュバック」

日本のドラマよりも遥かにクオリティが高いと言われる韓流ドラマと比較しても、この『silent』は異質だ。まず展開が異様に遅い。むしろこの展開の遅さが目新しく感じるほどに、なかなか進展しない。

韓流ドラマの特徴といえば、日常ではありあえない非現実的なストーリーに加え、ジェットコースターのようなスリリングな展開の速さ。視聴者を飽きさせないように脚本や演出が非常に凝っているのも魅力のひとつだ。
さらに、出演するキャラクターの感情がストレートでもある。

意図してやっているわけではないだろうが、それらと比較すると『silent』は真逆のベクトルをいっている。ただ、ゆったり流れる展開の中に、普通に生活してる演者たちの心の機微をしっかりと描き、それがまたリアルで、荒唐無稽なシーンがまったくないのだ。そして伏線をいたるところにちりばめ、きちんと回収しているところにも唸らされる。

これはかつて米ABCの人気テレビシリーズ『LOST』が用いた、登場人物たちの現在時間にそれぞれの過去を織り込んでいく「フラッシュバック」という手法だ。

登場人物の行動に影響を与えている過去が明らかになることで、彼らの行動の意味が次第に分かっていくのだ。ストーリーの進展具合を気にさせないほどに、効果的に伏線を散りばめたりしてほっこりした展開をゆったりと見せてくれる。

言うなれば、自然に涙腺をゆるませるほど細部にわたる心情描写を丁寧に演出するからこそ、スローテンポな展開となってしまうのだろう。

このドラマに通底するテーマは“わかり合うことへの難しさ”だ。音のある世界から音のない世界へと環境が変わった想は、健康体の紬と再会し、一緒にいることで、どんどん苦しくなっていく。音のある世界にいる紬とは“わかり合えない”という感情が生まれるからだ。

性別や年齢、環境、障がいがあるなしに関わらず、現代を生きる我々にとって「お互いを理解する作業」は誰しもが抱える普遍的な問題だ。
“わかり合う”ことのツールとして、声、手話、点字などの“言葉”がある。伝える手段こそ違えど、皆共通の言葉であり、『silent』を通して「言葉の本質」をあらためて教えられた気がしてならない。

時代の変革期である今、時間の流れは早い。
そんななか、『silent』のじれったいほどのゆっくりとした展開は、急ぎゆく時代を懸命に生きる我々にとって逆に新鮮であり、すべての登場人物が相手を思いやり、考え、歩み寄ってわかりあおうとしている姿が、たまらなく心地良いのかもしれない。


文/松永多佳倫

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松永多佳倫

まつなが たかりん

1968年生まれ。岐阜県出身。琉球大学卒。出版社勤務を経て2009年8月より沖縄在住。著書に、『第二の人生で勝ち組になる 前職:プロ野球選手』(KADOKAWA)、『確執と信念 スジを通した男たち』(扶桑社)、『まかちょーけ 興南甲子園春夏連覇のその後』、『偏差値70の甲子園-僕たちは文武両道で東大を目指す-』、映画化にもなった『沖縄を変えた男―栽弘義 高校野球に捧げた生涯』、『偏差値70からの甲子園-僕たちは野球も学業も頂点を目指す-』、(ともに集英社文庫)、『善と悪 江夏豊のラストメッセージ』、『最後の黄金世代 遠藤保仁』、『史上最速の甲子園 創志学園野球部の奇跡』(ともにKADOKAWA)、『日本で最も暑い夏 半世紀の時を超え、二松学舎悲願の甲子園へ』(竹書房)、『永遠の一球-甲子園優勝投手のその後-』(河出書房新社)、『沖縄のおさんぽ』(KADOKAWA)、『マウンドに散った天才投手』(講談社+α文庫)などがある

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