石野卓球とピエール瀧によるユニット、電気グルーヴが「and the ARENA〜みんなとみらいのYOUとぴあ~」@ぴあアリーナMMで10月15日にライブを開催する。

ライブが嫌で嫌でしょうがなかった。

――時代とともに音楽シーンや構造が変化していく中、今年結成33年目を迎える電気グルーヴは、現在もコンスタントにライブを展開されていますね。

石野卓球(以下、卓球) 3〜4年ぐらい前から、「音源を売る」ということが、以前のように「商売」にはならなくなっているんですよね。

ピエール瀧(以下、瀧) 昔はCDや音源を売ることがメインだったから、ライブも含めてどんな動きも最終的に「音源を売る」ことに帰結してたんですよ。レコード会社としても、「音源出します」「ライブします」というのが一つのサイクルとして染み込んでたと思う。

卓球 「アルバムを出したからツアーを」みたいな。だから電気がメジャーデビューした頃は、ライブが嫌で嫌でしょうがなかった。ライブとプロモーションが一緒だから、そこにモチベーションが見いだせなくて。

 でも今はライブで収益を上げる必要があるし、逆に「ライブはライブ」「音源は音源」とそれぞれ独立させて動くことができるようになったんですよ。

卓球 だからライブ活動自体が健全になったんだと思う。「目の前のお客さんを盛り上げる」という、本来のウチらの商売の本質に戻ったというか。あと機材の進化もありますね。

電気(グルーヴ)の音楽性は再現性がすごく難しくて、以前はライブで制限される部分が大きかったんですよね。だけど2000年ぐらいからコンピューターや機材の進化でフレキシブルにライブが展開できるようになったのも大きい。それでライブが実験的になりすぎる恐れもあったんだけど、幸いウチらはそういう方向にも進まず。
そもそも瀧がステージにいるのに実験してどうするんだ、瀧がステージにいること自体が実験なのに(笑)。

“『Shangri-La』は“ほどほどに売れた、印象に残る超でかいファール”だからいい”。電気グルーヴが語るライブの秘技!_1
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 アスファルトが一滴垂れるのを待つみたいな長〜い実験だもんな。それがもう33年目(笑)。