自分たちの進みたい方向にすぐ動けるようになった
――ライブのお話を伺うと、今年はFC会員限定ライブ「 電気グルーヴのドッキリルーム」も開催されました。
卓球 そういうフットワークの軽いこともできるようになったんですよ。以前は所属会社のA&Rやレーベルの会議の中で、ライブの会場や日時が決まって、それがウチらに降りてくるという流れが多かったけど。
瀧 たくさんのアーティストを抱えるレコード会社にとっては、各アーティストの一本一本のライブの意味であったり、重さに対してそこまで真剣に考えることも難しいと思うし。
卓球 でも独立して「macht.inc」を立ち上げたことで、自分たちの進みたい方向にすぐ動けるようになった。ただファンを集めて、ライブハウスで、ということばかりだと、こちらは甘えてしまうんで。
瀧 機嫌良くライブはできるけどね。でも、いつもの店でばっかり飲んでてもしょうがないというか。
卓球 常連客同士で喧嘩しちゃって(笑)。緊張感もなくなるから、あれは特別な回だけにしようと。こっちも調子に乗って余計なことを言いかねないし。
――あの日、MCで瀧さんの執行猶予が明けたというお話から、卓球さんが「もう何やっても大丈夫。人殺しても(笑)」と繋げられたときは、電気らしい話の展開すぎて震え上がりました。
卓球 (あの日のファンは)「人殺しても大丈夫ってことは、俺たち殺されるのか!? あいつらならやりかねない!」って思った?(笑)。
瀧 「俺たちは今日それで呼ばれたのか!」と(笑)。
卓球 そういう言葉だけが切り取られて報道される場合もあるから、言いたいことも言えないなと。
――一方、昨年の「FUJI ROCK FESTIVAL」や、今年の「SONIC MANIA」のような大型フェスにも、電気はラインナップされています。
瀧 フェスなどで初めて電気を見るような、新しいリスナーやオーディエンスと対峙する機会は、すごくモチベーションにも繋がるし、電気グルーヴのソロとしてのライブにフィードバックされる部分もあるんですよね。
卓球 ウチら目当てじゃないお客さんの前だと、 打てど叩けど響かない場合もありますけどね。
瀧 一応こっちも何とかしようとするんだけど、途中から「ごめんごめん! ちょっと待ってて! もう終わるから!」みたいな気持ちにもなるときもある(笑)。
卓球 フェスの電気はマダガスカルオオゴキブリみたいなもんだから。大概の人は嫌がるけど、一部の人は盛り上がってくれてるみたいな(笑)。