#2 地方議会が腐りきらないために統一地方選で変えられることはあるのか?

「何がダメなんですか?」と聞いても、答えは返ってこない

――しっかりとお話をするのは、今回が初めてだそうですね。

《老害だらけの地方議会に未来はあるのか?》そもそも仕事をする意識のない人たちが集まった腐りきった地方議会。「吉本新喜劇みたいなもので、見てもらえば意外と面白いことになっているんですけどね」_1
安芸高田市長・石丸伸二氏(左)、秦野市議会議員・伊藤大輔氏(右)
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石丸 そうなんです。伊藤さんのことを知ったのは『おいしい地方議員』の帯を書かれている(田村)淳さんがきっかけだったと思いますが、いつもツイートを拝見しているので、個人的には昔から知っていた気になっています(笑)

伊藤 僕は石丸さんをTwitterで知ったんですが、YouTubeの映像を見たときに強烈にシンパシーを感じたんですよ。市長と議員という正反対の立場ですけど、公募副市長の人事案を否決されて市長室に戻っていく石丸市長の横顔を見て、とても人ごとには思えませんでした。ちなみに、3月の定例会ってもう終わりましたか?

石丸 はい。やろうとしていた事業の予算がひとつ落とされて、修正で通りました。

伊藤 秦野市議会もそうですけれども、ローカルな議会の議員って、これまで基本的に市長の提出議案や予算を否決せずにやってきてるんですよね。その否決してこなかった人たちが、首長が変わった瞬間に否決や修正に回っている。もちろん、内容を見て言ってることだろうから否決するのはいいんですが、「なぜ反対なのか」という議論もすごく大事だと思うんですよ。

石丸 そうなんですよ。今回も修正の方に回った議員に「何がダメなんですか?」と聞いても、答えは返ってきませんでした。『おいしい地方議員』の中で伊藤さんが「市民と行政の間に入ってきちんと説明するのが市議会議員の仕事だ」と書かれているんですが、これを理解している人がどれだけいるのか。拡大コピーして、うちの議会に配りたいぐらいです。

伊藤 うちの議会で保守系の議員が「予算というのは、連綿とした長い流れのなかでちょっとずつ変わっていくものだ」というようなこと言っていたんですよ。確かに予算はお金の使い道ですから、既存のものを変えようと思ったらそこに反発があるのは当たり前で、それについては「なるほどな」とも思ったりしたんですけど、僕や石丸さんは「すぐに変えたい」という思いが強いから、そのはっきりしないところや、そもそもロジックがしっかりしていないところに腹が立っているんですよね。