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大半の人が、「発想法」を意識せずに、闇雲にアイデアを考えているのではないでしょうか。
類似アイデアを見て真似したり、使い慣れていない発想法をいくつも使って、苦しいなかでアイデアを考えていたり。
「なにを考えるか」の前に、「どうやって考えるか」に迷ってしまう人が大半です。

一方で、自信の持てる発想法を知っていると、考えるスピードは格段に早くなり、アイデアを考える負荷も軽くなります。
「どうやって考えればいいのだろう?」と迷いながら考えるのではなく「まずはあれを考えて、そこから次はこれを考えて」と、やるべきことが明確になります。
思考がシンプルになり、考える際のストレスも軽減されるため、アイデアを考えることに注力できるのです。
それでは、私がおすすめする「人とかぶらず、ありそうでないアイデアを生み出す最強の発想法」をみなさんにご紹介していきましょう。

「要素」と「要素」を組み合わせる

お伝えしたい発想法は、「見立てる」と「ちょっと変える」のたった2つです。
まずは「見立てる」発想法についてご説明していきます。
これは「既存の要素どうしの組み合わせ」でアイデアを生み出す手法であり、おもに「製品×他事象」の化学反応で成り立ちます。
「5秒で伝わるアイデア」を考えるにあたってとても有効な手法のひとつです。

では具体的に、なにをどう見立てるのか。
見立てる発想法で生み出したアイデアをいくつか紹介していきます。

ひとつめは「課題炎上付箋」です。これは「付箋」を「炎」に見立てたアイデアです。
解けない問題があるページに炎型の付箋を貼ることで、課題が燃えて教科書が炎上しているように見えます。
そして燃えているのを見て、焦って消火(勉強)したくなる効果があります。
このアイデアは、どんな手順で生まれたのでしょう。簡単に説明します。

「課題炎上付箋」「四角いガムテープ」はなぜ生まれた? 「見立てる」「ちょっと変える」…2つの発想法が喜ばれるアイデアを生み出す_1
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まずこのアイデアは、「課題を解決する」アプローチで考えています。
「付箋」の課題を考えてみたところ、「貼られている付箋の意味がわからない」「そもそも勉強や宿題をやらない」といったことが見えてきました。
そこで、解決法として「焦らせることで勉強させる」付箋ができたら、価値のあるアイデアになると考えました。

では、それを実現するにはどんなアイデアが必要か。
ここで「見立てる発想法」の出番です。
「焦る」という言葉からイメージするものを考えます。
そこで浮かび上がったのが、「炎」でした。
この「炎」を「付箋」で見立てたことで、「炎に見立てた付箋」のアイデアが生まれました。

また、付箋を炎に見立てたことで、「炎上させて焦らせることで勉強や宿題を促す」という価値が生まれましたが、それで終わりではありません。より「強いアイデア」にするには、その他の付加価値も必要です。
「炎の大きさによって問題の優先順位を可視化できる」
「消火と、知識として消化することがかかっているから、意図がわかりやすい」
こういった価値も見えてきたため、いいアイデアだと感じました。