「目標は総合3位以内」注目選手は?

4区にエントリーされた柏優吾(4年)は、8月の北海道マラソンで日本人最高位の2位。2023年10月に開催されるマラソングランドチャンピオンシップ(MGC ※パリ五輪代表選考レース)の出場権をすでに獲得している。箱根は未経験だが、スタミナが大きな武器で、調子を上げてきている。

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全日本大学駅伝でアンカーを務めた柏優吾 撮影/和田悟志
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1年目から箱根を走っている梅崎蓮(2年)もロードに強い選手。補欠登録だが、主要区間での起用が予想される。5月の関東インカレではハーフマラソンでチームトップの2位に入っており、他校の主力に太刀打ちできる力がある。

主将の前田義弘(4年)は5区・山上りにエントリー。1年目から3年連続で箱根を走っており、前回は9区5位と好走した。過去2回10区で好走している清野太雅(4年)は、今回も10区に控える。

エース区間の2区には石田洸介(2年)がエントリー。中学時代から世代をリードし、高校時代には5000mの高校記録(当時)を16年ぶりに打ち立てた逸材が、いよいよ箱根でも、その才がベールを脱ぐ。

その他にも「中間層が、非常に厚みがある」と酒井監督は自信を口にする。目標は総合3位以内。堅実に“つなぐ駅伝”ができれば、上位争いに加わることは十分可能だろう。

「ピンチをチャンスにしていきたい」

今回をしのぐことができれば、鉄紺軍団はいっそう手強いチームへと変貌を遂げそうだ。

取材・文/和田悟志
写真提供/ナイキ