定期的に充電してあげよう
先日、任天堂サポートのTwitterアカウントが「ゲーム機などに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは、あまり長い間、充電も使用もしていない状態が続くと、充電できなくなることがあります。半年に一度は充電してあげてください」とツイートしたことが話題になりました。
このように、リチウムイオンバッテリーを搭載した電子機器は、「定期的に充電する」ことが非常に重要です。
ゲーム機などに内蔵されているリチウムイオンバッテリーは、あまり長い間、充電も使用もしていない状態が続くと、充電できなくなることがあります。
— 任天堂サポート (@nintendo_cs) October 20, 2022
半年に一度は充電してあげてください。 pic.twitter.com/JQtheqTY1r
なぜ定期的に充電しなければならないかというと、バッテリーを安全に使うために、「電池パック」として内部に組み込まれた保護機能が作動するからです。
そもそも、リチウムイオンバッテリーを長時間放置すると「過放電」という現象が生じます。その結果として、バッテリー内部に使用されている銅などの物質が電解質に溶け出して組成が変わると、化学反応によってガスが発生してしまいます。
多くの方は、ニュースなどで電子機器の電池パックが膨張した写真を見たことがあるでしょうし、中には実際に手持ちの機器で体験したことがある人もいるかもしれません。要するに、あの状態はバッテリーが傷んで発生したガスによって、電池パックが膨れているわけです。
膨張してしまったリチウムイオンバッテリーの電池パックは、火災などの事故に繋がるリスクを孕みます。これを防ぐため、ある程度バッテリーが放電し続けた場合、それ以上放電しないように放電経路が遮断されるのです。
反対に、電池容量が100%を超えているのに、さらに充電しようとしてしまう「過充電」という現象も存在します。こちらもガスの発生や発熱などにつながるため、電池パックの保護回路によって制御されています。
もちろん、「リチウムイオンバッテリー」という概念は間口がかなり広いもの。製品によって、化学的な構成や、制御する仕組みもさまざまでしょう。上述した仕組みの例は、あくまでも概念を理解するための一助として捉えていただければと思います(たとえば、過放電を抑制する仕組みがない場合には、機器の電源を切ったり、機器からバッテリーを取り外して湿気の少ない場所で保管するなどの対策が必要な場合もあります)。