バンド名は「ゴミ」「松葉くずし」!?
――石川さんが「たま」での活動を通じて好きなアルバムとか曲ってありますか?
あんまり嫌いな曲はそもそも入れないというか。それぞれが曲を作って、リハーサルの時に「たまの新曲発表会」みたいな感じでお互いの曲を持ち寄るんですけど、曲によっては「これはたまでやる感じじゃないかな」っていうのがそれぞれにあって、でもそれぞれソロ活動も並行してやっていたので「これはソロでやるわ」っていう取捨選択はありましたけどね。
――なるほど。
ライブに関しては、柳原は声がいいし、「たま」は基本的にコーラスグループみたいなところもあったので、4人時代の方がコーラスも厚くなるんで、そこはよかったと思います。
でも、アルバムに関しては、むしろそこから3人になった時の方が、4人の時はメジャーレーベルで締め切りがはっきりしてたから「もう少し練って作りたいな」って思っても「この日までにレコーディングを終わらせないと」っていうのがあったんです。
だけど、それ以降は自分たちのレーベルでインディーズという形でやっていたので、とことん作れたので、3人時代のアルバムの方が自分たちではよくできてると思うんですけどね。『いなくていい人』ってアルバムとか『東京フルーツ』とか。
――どちらも音作りにすごく凝っていた印象があります。
でも、たまファンの人でもだいたいは「『さんだる』買いました」とかが多くて、3人時代の「地球レコード」(3人時代の「たま」の作品を今も販売しているレーベル)になってからのアルバムも持っている人はガクッと減るんですよね。
ぜひそういう人たちに3人時代のアルバムをぜひ聴いてもらいたいですね。
――その一方で「しょぼたま」っていうアコースティックでシンプルな構成のバージョンもあったり、3人時代のたまも大好きです。漫画の中では「たま」というバンド名が決まるくだりも印象的でした。
バンド名を考えようっていうことで「ゴミ」とか「松葉くずし」とか色々考えたんですけど、ちょっとパンクバンドっぽいなと思って。
とにかく、略語が嫌いだったんですよ。長い名前のバンドって絶対略されるじゃないですか。サザンオールスターズだって、フルで言う人はあまりいなくて、たいがい「サザン」って言う。二文字の「たま」なら略されないなって。