7年ぶりの映画出演は挑戦だった

闘病を経て7年ぶりに映画出演した安田章大。「サングラスをかけてお芝居できたことは大きな自信になった」_5
Ⓒ2023「嘘八百 なにわ夢の陣」製作委員会
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──7年ぶりの映画出演で安田さんが得たものはありますか?

僕は、2017年に髄膜腫の手術を受けて以来、光に対する過敏性があるのでずっとサングラスをかけて仕事をしています。そのため、これまで強い照明を浴びる映像関連のお仕事は体調を考慮してやっていなかったんです。

でも今回、大好きな『嘘八百』の出演依頼をいただいて、思い切って挑戦し、サングラスをかけてもお芝居ができたことに喜びがありました。少しの時間ですが、メガネを外してライトの前でお芝居ができたことも自分としては大きかった。映像の仕事への不安がなくなり、仕事の幅を広げてくれたこの作品には本当に感謝しています。

──映像の世界での表現の面白さ、難しさなど、今回改めて感じたことはありましたか?

僕はお芝居をする上で、舞台と映像の違いなどあまり意識していないです。ただ、舞台はお客さんの目の前で行うので、体は大きく使いますが表情の細かいところまでは見えないかもしれない。

一方、映像のお仕事は、アップになったとき、少しだけ動いた目線など表情だけで伝わる感情があるので、この映画に出演し、使う筋肉が違うと感じました。

あと、映画は公開されたあと、DVDなどの形で映像が残るのがいいですね。舞台はすべてが映像化されるわけではないので、何度でも見られるように映像として残してもらえることがうれしいです。でもまずは劇場の大きなスクリーンで『嘘八百 なにわ夢の陣』を見ていただきたいです!

『ニューヨーク東8番街の奇跡』が大好き

──最後に、ロードショーはずっと国内外の映画や映画スターを応援してきた媒体なのですが、安田さんにとって思い出の映画や映画スターはいますか?

好きな映画は『ニューヨーク東8番街の奇跡』(1987)です。東8番街の古いアパートが地上げ屋に狙われ、住人が脅されて困り果てているところに宇宙から助っ人がやってくる物語。ロボットみたいな宇宙人が住人と仲よくなってアパートを守ろうとしたり、仕事を手伝ったりするんです。

子供のころに見たんですが「地球にいるのは人間だけじゃない。こういう世界もあるんや」と感動した作品で、夢と希望とロマンがいっぱい詰まっていて、今でも大好きで何回も見ています。

──スピルバーグが製作総指揮をしたエンタテインメント作品ですね。

細かいディテールまで描きこまれているところなど、今見てもすごいなと思います。『嘘八百 なにわ夢の陣』も、夢とロマンが詰まったエンターテインメントの王道をいく作品。映画に登場する「秀吉の七品」などがリアルに描きこまれていて、『ニューヨーク東八番街の奇跡』との共通点があるので、選ばせていただきました。


取材・文/斎藤香

安田章大
1984年9月11日生まれ。兵庫県出身。関ジャニ∞のメインボーカルとリードギターを務める。2013年『ばしゃ馬さんとビッグマウス』で映画単独初主演。以降、『スキャナー記憶のカケラを読む男』(2016)に出演。また関ジャニ∞の映画『8UPPERS FEATURE MUSIC FILM』(2010)『エイトレンジャー』(2012)『エイトレンジャー2』(2014)にも出演している。

『嘘八百 なにわ夢の陣』(2023)日本

闘病を経て7年ぶりに映画出演した安田章大。「サングラスをかけてお芝居できたことは大きな自信になった」_6


大阪城から茶碗のカケラが出土したと報道が流れ、もしや「秀吉七品」の幻のお宝「鳳凰」ではないかと噂が立つ。同じ頃、大阪秀吉博の実行委員会が、古美術商の小池則夫(中井貴一)の元に「鳳凰を秀吉博の目玉にしたい!」と相談を持ちかけてくる。小池が「手に入れるのは難しい」と渋ると、なんと「こしらえれば、ええんとちゃいます?」と悪魔の囁きが……。
小池は相棒の陶芸家・野田佐輔(佐々木蔵之介)と組んでひと儲けしようとするが「秀吉七品」を集めている、波動アーティストTAIKOH(安田章大)が現れ……。

2023年1月6日より、全国ロードショー
©︎2023「嘘八百 なにわ夢の陣」製作委員会
配給:ギャガ
公式サイト
https://gaga.ne.jp/uso800-3/