Cさんが破局した理由と、国民的アイドルグループと交際していたDさん
遠距離交際のために、連絡のマメさには細心の注意を払っていたというCさんだが……
「それでもやっぱり自然とお互いに連絡頻度が落ちちゃって……3か月でしたね。遠距離って難しいです」
ここまでは終わってしまった推し交際の話だったが、現在も推しと交際中のDさん(25才・会社員)も体験談を寄せてくれた。俳優・林遣都似のDさんのお相手は、なんと紅白出場経験もある国民的アイドルグループの一員だ。
「推しの発言から、どうも生活圏が近いんじゃないかなとは思っていたんです。地下アイドルと違って直接話せる時間は短いけれど、イベントではチャンスがあるたびに近所と思われる地名を出していました。本当に生活圏が同じだったら、自分のことを想ってくれることがあるんじゃないかと考えたんです。
それである日、職場を出て歩いていたら偶然、推しがいたんですよ。今しかないって思って話しかけたら、推しも驚きつつ『いつか会える気がしてた』って言ってくれて……。生活圏アピールしてきた甲斐がありましたよね。そのまま一時間くらい散歩して、終電も近いしってことで解散しようと思ったら、推しが『もっと話したかった、こんな偶然はもうないかも』と言うので連絡先を交換。4日後に改めて都内のホテルで待ち合わせて、日付の変わるころに僕から『付き合おう』って告白しました。
彼女いわく『自分を特別だと思わせてくれる、全部肯定してくれる会話が決め手だった』ということで、もう交際は1年半になります。月に1度しか会えないときもあるけれど、基本デートは僕の家。外で会うときは、人が多いところは避けています」
ちなみにDさんによると、彼女とグループの契約書には『交際禁止』とは書かれているものの、守れなかった場合のペナルティに関する記述は特にないという。
「でも交際発覚して脱退したほかのメンバーはいます。どこかで『恋愛禁止』の前提があるからこそ交際できた特別感があって、一層嬉しいっていうのもありますよね。推しへの応援だけじゃなく、実際に繋がれる、うまくいけば結婚もできるっていうモチベーションがあります」
今回証言を寄せてくれた、推しと交際経験のあるオトコたち。不思議なことに、彼らは口を揃えて「恋愛禁止ルールはあったほうがいい」という。
「アイドルなんだから処女性が大切」だと言い切るのはAさん、そして「ヲタクとして燃えるから」と言うのはBさん。「一般女性の相手と違って、他の男の存在も考えなくてすむから」とその切なる思いを話すのはCさんだ。
実際に、「推し婚」までたどり着いたカップルのニュースは彼らにとって希望の星なのかもしれない。
後編では、元・現役のアイドルと運営サイドの話を検証してみよう。(後編に続く)
取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班