大切なのはつながりの数ではなく質

もうひとつポイントがあります。肯定的な社会関係があっても、その数はあまり多くないほうがいいのです。数が多いと脳が処理しきれないからです。数ではなく、大切なのはつながりの質です。腹を割って話せる親しい人がいることが大切なのです。

すでにそういう相手がいる人はいいのですが、いない人はそういう相手をつくることをおすすめします。ただ、「妻とはなんでも話せる関係ではない」「子どもとは価値観が違いすぎる」「会社の同僚や知人は増えたけど、親友と呼べる友人は大人になるとなかなかつくれない」…そんな声も耳にします。

ちなみに、仲がいい人が一人でもいれば脳の認知機能も幸福度も上がりますが、だからといって仲のいい人が二人以上はいらないというわけではありません。複数人いることはいいことです(くり返しますが、多すぎない範囲で)。また、後述しますが新しい人間関係をつくることも脳に刺激を与えてくれます。仲のいい人が一人以上いて、さらに新しい人間関係づくりにも挑戦する。これが脳を活性化させる方法のひとつで
す。

話は少しずれますが、こんな調査結果もあります。
「こじんまりとしたパブに行く回数が多い人は幸福度が高い」

こんなことまで調べる人がいるのかと思いましたが、この結果は興味深いです。規模の大きな飲み屋さんに行く人よりも、小さめのパブに行く人のほうが人との親密度が増し、そこでのコミュニケーションが脳の認知機能も上げてくれるということです。

この調査結果は「なじみのスナックやバーがある人は幸福度が高い」ということでもあります。確かに、知人でもスナックが大好きな人が何人もいますが、みなさん、なじみのスナックがあることが喜びになっているようで、よくスナックでの話を楽しそうに教えてくれます。

『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)
西剛志
「こじんまりとしたパブに行く回数が多い人は幸福度が高い」は本当か?_1
2022年8月13日
1540円(税込)
328ページ
ISBN:978-4-7762-1214-0
いくつになっても脳が若いままの人と、老化が進んでいく人の差はどこにあるのか?
脳科学者が伝えたい「老人脳」にならないための方法。
「スーパーのレジ待ちの列に割り込む老人」「人目をはばからず、店員に怒鳴り散らす老人」そんな迷惑老人たちが目についてしまう昨今......なぜ、彼らは自省できないのか。
それは脳の老化、老人脳であることが原因です。脳の老化は、30代からはじまりますが、実は高齢になっても伸びていく機能もあることがわかっています。脳科学的には、加齢=老化ではないのです。では、なぜ前述のような老人がいるのか。
一方で、アクティブに、幸せなシニアライフを送っている人たちもいます。
70歳のシニアといっても、体の不調もそれほどなく、まだまだ元気で、知的好奇心も旺盛な方がたくさんいます。そんなスーパーエイジャー(高齢になっても超人的な認知・身体能力を持つ人)たちの脳の使い方をひも解き、いつまでも若々しく幸せなシニアライフを送るきっかけにしてもらう本をお届けします。
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