目指すは勝みなみの最年少記録更新
現在11歳の弥勒は、ジュニアの試合に出られる。だが、彼女の頭の中にあるのは、まずは日本の女子ツアーに挑戦することだ。
ただし、JLPGA(日本女子プロゴルフ協会)の出場規定では、大会初日時点で満13歳以上が条件になっている。つまり2024年8月6日以降の大会でないと、アマチュアとしての出場資格をクリアできないのだ。まだまだ時間がある。
ところが、弥勒はいう。
「今145センチの身長を大きくしたいし、筋トレもして最低でもあと20ヤードくらいはドライバーの飛距離(現在は約210ヤード)もほしいです。国内女子ツアーのレベルは毎年上がっているので、もう本当に時間が足りないと思ってます」
とても小学生とは思えないほど客観的に、そして厳しく自分の現在地を分析している。
小学生のアマチュアゴルファーでありながら、その実績と注目度でゴルフ5とは所属契約を、他にニトリやUHA味覚糖、楽天など計11社からスポンサードを受けている。
「皆さんに恩返しをしたいです。目標はお世話になっている会社の大会で優勝して、勝みなみさんの最年少優勝記録(高校1年生、15歳293日)を更新することです」
契約中の会社でトーナメントを実施しているのは楽天、ニトリ、ゴルフ5(2022年開催順)の3社。2022年実績では、「楽天スーパーレディース」は7月28日~、「ニトリレディス」は8月25日~、「ゴルフ5レディス」は9月2日~となっている。
弥勒が13歳になる2024年の開催時期は不明だが、2022年に準じるとすれば、8月6日が誕生日なので、「ニトリレディス」がデビュー戦ということになる。勝みなみプロの記録を更新するまでの猶予期間は約3年だ。
現実は甘くないだろうが、毎日2000球以上打ち込み、それでも打ち込み足りない夜には「寝つきが悪くなっちゃうんです」(みゆきさん)なんて話を聞くと、案外にあっさりと記録更新してしまうのではないかと思ってしまうのだ。
後編では、天才少女ゴルファーの素顔を一問一答のインタビューで紐解いていく。
後編<ゴルフの天才少女・須藤弥勒の素顔。「尾田栄一郎先生に会いたい!」「のど自慢に出たい!」>を読む
取材・文/志沢 篤
撮影/等々力 菜里