がん患者は、どう接してほしいと思いますか?

では、がん教育ではどのようなことを学ぶのだろうか?

文科省が示す学習内容は、次の9つ。これらを子どもの発達段階に応じて指導する。

・がんとは(がんの要因等)
・がんの種類とその経過
・我が国のがんの状況
・がんの予防
・がんの早期発見・がん検診
・がんの治療法
・がん治療における緩和ケア
・がん患者の生活の質
・がん患者への理解と共生

もちろん、家族をがんで亡くしたり、本人が小児がん等で闘病したりしたことがある場合には、授業をする際に配慮する必要があることも、がん教育のガイドラインに記されている。

注目したいのは、がん教育は「がんを知ることと、その予防」だけが目的なのではなく、「がん患者への理解と共生」というところにまで踏み込んでいるところだ。

日本対がん協会が公開しているがん教育用のYouTube動画には「がん患者は、どう接してほしいと思いますか?」「がん治療で2週間に1どの通院が必要な場合、『働き続けられる』と世論調査で答えた割合は?」といったQ&Aが取り上げられており、がん患者の置かれている現状や、当事者の人々の思いを知ることにも重点が置かれている。

がんという病気自体の注目度は高いが、がん患者の病気以外のところでの苦しみや生活の困難さにもフォーカスしているのだ。

「よくわかる!がんの授業」(公益財団法人日本対がん協会)