二面性キャラクターの定評を得た『プリパラ』【始まり】

常に「声優がアイドルをやっている」「アイドルが声優をやっている」と思われることに抵抗を感じていた芹澤。声優デビューした2013年、メインキャラクターに抜擢されたアニメ『プリティーリズム・レインボーライブ』（福原あん役）では、同時にi☆Risとしてエンディングテーマ「§Rainbow」を担当。

その時も胸にあったのは「私はこの現場に声優として入っているので、関わる皆さんから『アイドルの子なんだ』『主題歌を歌っている子なんだ』と思われないようにしたかった」との思いだった。

そんな思いから、アフレコ現場に行く際は「自分はアイドルではなく声優だ」という意識を常に持つよう、心掛けるようになった。

一方で、声優デビューから『プリティーシリーズ』との関わりが深いことは、芹澤の声優人生を語る上で欠かせない【始まり】の原点でもある。

『プリティーリズム・レインボーライブ』放送終了後、2014年には後続シリーズとなるアニメ『プリパラ』（南みれぃ役）への出演を果たす。小中学生の少女たちが女の子の夢と憧れが詰まった「プリパラ」で歌やダンス、ファッションセンスを競い合うライブに出場するという設定の同作。みれぃは主人公・真中らぁらと同じユニットを組むキャラクターだ。芹澤はTVアニメ1～3シーズン、劇場アニメ、合わせて約4年間演じていた。

「みれぃちゃんは毎回私に課題を投げ続けてくれたキャラクターでした。最初はクールな委員長としての側面とプリパラでのアイドルらしい側面の二面性に苦労して、2シーズン目は挫折するエピソードが描かれていたのでより人間らしく演じなければいけなかった。最後の3シーズン目では神アイドルを目指すという強い意志のある子に。毎回違う一面を見せてくれるたびに、私はちゃんと演じきれるのだろうかと悩みました。だけど、共演した大先輩たちのお芝居を間近で“見て・感じて・学ぶ”環境があったから、乗り越えることができました」

また、みれぃの多面性は、芹澤の声優としてのキャリアに大きな影響を与えた。

アニメ『賭ケグルイ』夢見弖ユメミ役やゲーム『ヘブンバーンズレッド』朝倉可憐役など二面性のあるキャラクターを演じる機会が増えたのだ。芹澤は「みれぃちゃんのおかげで今があるのは間違いないと思います」と話す。