あややは飯田圭織が名付け親、ハロプロの先輩後輩秘話_2

二万人を超える応募があったオーディション。辻󠄀ちゃんの教育係に

――『モーニング娘。第3回追加オーディション』(2000年開催)や、『モーニング娘。LOVEオーディション21』(2001年開催)では2万人を超える応募がありました。そのような大規模なオーディションが行われていたことに対して、何を感じていましたか?

アイドルになりたいというよりも、“モーニング娘。になりたい”と言ってくれる子たちがどんどん増えていったような気がします。少し前に、AKB48のメンバーの方とお仕事をさせてもらったのですが、なかには“モーニング娘。のオーディションを受けた”と言ってくださる方もいて…。私達が新しいアイドル像の流れを作るきっかけになれていたとしたら光栄ですね。でもモーニング娘。として活動していた時期はそういう風には思えず、悩みや迷いも多かったです。

――飯田さんは、4期メンバーが加入した際(2000年4月16日加入)に、辻󠄀希美さんの教育係をされていました。当時はモーニング娘。本体以外の活動も多かったので、色々と負担もあったと思いますが…。

そうですね。タンポポ以外にもユニット(2000年からモーニング娘。に松浦亜弥などのメンバーを加え、グループを再編したユニット活動を行っていた)もやっているし、ミュージカル(2001年5月『LOVEセンチュリー ~夢はみなけりゃ始まらない~』)にも出演していたし、あらゆることをやりましたよね(笑)。

教育係も辻󠄀ちゃんだし(笑)。辻󠄀ちゃんは、やっぱりやんちゃだったんですよ。加入当初はまだ中1で、もう本当に子どもって感じでした。私に会っても、“あ、かおりんだ。じゃんけんしよう! ”というところから始まるので、“違うよ。おはようございますって挨拶するんだよ”っていう指導からスタート(笑)。私、グループのリーダーになる前ぐらいから、自分はアイドルグループの一員じゃなく、幼稚園の先生みたいって思っていました(笑)。

――2001年に初代リーダーの中澤裕子さんが卒業されてからは、19歳で二代目リーダーに就任されています。グループのなかでの立ち位置は、指導役?

ステージ前って、できるだけ完璧なパフォーマンスを行うために、神経を集中するじゃないですか。だけど、出演前から楽屋のメンバーが賑やかなので、“ほかの出演者の方たちに迷惑を掛けないように見張ってなきゃっ! “って。そっちの方に神経を使っていました(笑)。

江國香織さんの小説で疑似恋愛

――当時、メンバーの一人が、「かおりんが楽屋で難しそうな本を読んでいた」というエピソードを話していたことがあって、その時に江國香織さんの作品を読まれていたというのをなにかで聞いた気がするのですが…。

江國さん、好きでした! 大勢のメンバーがいるアイドルグループにいたけれど、やっぱり普段は自分のペースを大事にしたいタイプだったんです

――飯田さんは、本番前の時間をどのように過ごされていましたか?

私は本番を迎えるにあたって、神経を集中させたいと思っていました。だから好きな音楽を聞きながら、ちょっと小説を読んで心を落ち着かせてないとダメなタイプでしたね。賑やかなメンバーとは正反対というか。ずっと小説を読んでいましたね。

――そんな状況で本を読めるのは、集中力があると思います。

いや~。あれは慣れでしたね。江國さんの本を読んでいたのも、アイドルは恋愛禁止と言われている時代に、感情を込めて恋愛の歌を歌う為だったんですよ。小説を読むことで、疑似恋愛みたいな気分を味わってみたり。実際に恋愛ができなかったので、恋愛をしている小説を読んで、どんな気持ちなんだろうって考えたりしていたんです。当時はそんなことをしていましたね。