Q.夜、寝つきが悪いのが悩みです。
A.体のリズムと関係が深い、光を意識して。
長く起きていると疲労が蓄積していき、睡眠に入ると疲労が徐々に解消していきます。夜間睡眠をとるまでの覚醒時間が短いと、寝つきに影響するものです。
また、普段の生活において、通勤時などのちょっとした移動時間は、朝陽を浴びる機会でもあったのですが、リモートワークの生活になると、こうした光を浴びる機会が減ってしまうことが考えられます。オン・オフを差別化する上で、光(特にブルーライト)は、目から脳の視交叉上核に届いて体のリズムに影響します。リモートワークで外出する機会が少ない生活では、朝起きたらカーテンを開けて、目が覚めるまでの間は外の景色を眺めることで、できるだけ自然の光を浴びるようにしましょう。
逆に、夜間にブルーライトを発するLED照明やパソコンやテレビなどのディスプレイ等の電子機器の使用は、夜間睡眠に必要な体温低下を抑制し、覚醒レベルを上げてしまうので、入眠が妨害されます。夜間の照明は「調光」機能を用いて暖色系の光に切り替え、電子機器の使用はなるべく差し控えること。さらに夜間にスムーズに入眠するためには、就床時に体温を低下させる必要があるので、就床直前の高温入浴や運動は避けたほうがよいです。
また、食事に関しては2つのことを意識しましょう。
まず1つは、朝ご飯をしっかりと食べること。オン・オフを差別化する生活のリズムには、カラダの体内時計も影響するといわれており、朝ごはんをしっかり食べることが体内時計をきちんと働かせるからです。次に、栄養バランスのとれた食生活を送ることも睡眠に大きく影響します。特に眠気をもたらすホルモンである「メラトニン」の原料、トリプトファンという必須アミノ酸を摂取することがおすすめです。肉・魚・卵・大豆などのタンパク質と合わせて、トリプトファンを多く含むビタミン・ミネラルも摂取しましょう。
<寝つきが悪い人が意識するポイント>
・夜間は暖色照明にする(白色のLEDライトは使用を避ける)
・就寝時刻が前後しても、毎日同じ時間に起床する
・目覚めたら、朝日を浴びる
・朝ご飯を食べる
・土日に寝だめをしない
・長い昼寝・夕寝をしない
・トリプトファンを摂取する
取材・文/於ありさ