1冊の本で世界の見え方が変わる

――現時点で興味のあることや、気になっていることは何ですか?

本を書いて、本を出した後もこういうインタビューで話す機会がありますし、この本について他の方に書いていただくこともある中で、書くこと、書かれることについて考えるようになりました。誰かについて書くことに伴う影響の大きさや、経験を言葉にする必要性、モラルだったり……語ることと語られること、その上での伝え方については、いろんなコンテクストで考えますね。

――本でしか伝えられないものや、本で伝える意義は、どういうことだと思いますか?

本って、紙の上の文字を追っているだけなのに、そこには大きな世界が広がっていて、小さな1冊の本を読み終えただけで世界が違う色に見えることがあって。言葉が持つ力も大きいし、同じものを読んでもとらえ方が人それぞれ違う、その自由度も本の魅力だと思います。

同じ経験でも、今の時代なら動画やSNSという発信方法もあり、やり方によっては効果的に伝えられる人もいるはずですが、じっくり時間をかけて突き詰めていきたいと思っていたので、私には、本という形が一番合っていたのかなと思いますね。

取材・文/川辺美希  撮影/竹花聖美

『JK、インドで常識ぶっ壊される』(河出書房新社)
熊谷はるか
「JK、インドで常識ぶっ壊される」インドの光と影を綴った女子高生の現在地_02
2021年12月24日
1540円(税込)
単行本(ソフトカバー)‎ 224ページ
ISBN:978-4-309-03016-6
amazon