愛あるむちゃぶりには全力で応える
もうひとり、恩義を感じている芸人さんは、オードリーの若林正恭さん。一番雑にDJ KOOを扱うのですが、一番笑ってくれる人でもあります。お笑いは好きでよく見ているつもりですが、芸人さんと絡むときに、ここではこうして、こうきたらああする、というやりとりは本当にレベルが高いのでむずかしいのです。
オードリーさんの『オールナイトニッポン』(ニッポン放送)に出演したときに、私がわかっていなくて困っているところをとことん突いてくれました。『オールナイトニッポン』に出るにあたって、過去の放送回を聞いて予習したことをノートにまとめていきました。
予習ノートをつくっていることを知っていた若林正恭さんが、「今日は台本はいいから、KOOさんのノート通りにやってきましょう」と言い出して、私がノートに書いた通りに進行していったのです。読んだところに赤ペンで線を引いていったり、しまいにはラーメンマンのイラストを書かれたりしました(笑)。
予習してきたノートをめちゃくちゃにされるなんて経験してこなかったですから、若林正恭さんがノートに書き込むたびに、私は「何やってんの!」と応戦。そんな必死な姿を見て、春日(俊彰)さんが爆笑する、という流れに。
ラジオなのでもちろん落書きしている映像は見えないですが、そのやりとりを多くの人に楽しんでいただけて、神回なんて言われています。
ちなみに、家族内でのキャラクターもいじられ役です。自分のことを理解してくれている人たちから与えられた役割は、あれこれ考えずにやりきってみてはいかがでしょうか。
むちゃブリされたら、チャンス到来! 自分のキャラを思い切り開放しよう!!
準備にこだわりすぎない
準備をしないという「準備」
出演する番組の過去の放送回を見たり、共演者のSNSをチェックしたり、準備は欠かさないということは、これまでにご紹介してきました。準備することで「安心」を買うイメージですね。しかし、逆にまったく準備をしないときもあります。それは、「新鮮」さを自分が求めていたり、周囲から求められているときです。皆さんでしたら、朝会などで数分間スピーチするときや、運動会で綱引きに参加するときなどでしょうか。こういう場面では、わざわざ準備して臨む必要はないかもしれません。
驚きや感動を自然に演出できるので、セルフコントロールが苦手な人には、準備をしないのもおすすめしています。
準備は大事ですが、準備に固執しすぎてしまうと、「自分が準備をしてきたことを、この場で出してやる!」というように、気持ちが空回りすることも。それでは「自信」ではなく、「過信」になってしまいますから。
もっとも、30代のころは忙しすぎて、準備ができないこともありました。1995年の大晦日は、いまでも忘れられません。まずは赤坂のTBSで「輝く!日本レコード大賞』のリハーサルからはじまり、渋谷のNHKに移動して『紅白歌合戦』のリハーサル。
そこまでがTRFの動きで、そこからはH Jungle with Tとして『紅白歌合戦』のリハーサルをしたら六本木へ。ディスコ「ヴェルファーレ」のカウントダウンイベントのリハーサルをして、赤坂に戻ってTRFとして「輝く!日本レコード大賞』の本番。
『紅白歌合戦』にTRFとH Jungle with Tとして出演して、カウントダウンライブに参戦しました。移動中はとにかくダッシュで、小室哲哉さんが走っているところを見たのは、後にも先にもあのときだけです(笑)。『輝く!日本レコード大賞』も、『紅白歌合戦』も、ともに前年に続いて2回目の出演だったのですが、新鮮さを持って臨むことができました。
予期せぬ事態で、準備がかなわないこともあります。そうなったら、臆せず自分のパフォーマンスを発揮すればいいのです。
新鮮さや勢いが求められている仕事では、あえて最低限の準備で臨んでもOK!!
前編
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