22/23シーズンの優勝争いの行方

––プレシーズンマッチをご覧になって、昨季王者であるシティの仕上がりはいかがですか?

まずシティには、ドルトムントから若手FWアーリング・ハーランドが加入しました。昨シーズンのシティにはいなかったストライカータイプの選手ですが、この選手がどうチームに作用するのか。プレシーズンのバイエルン・ミュンヘン戦ではゴールも決めましたし、リバプール戦でもチャンスはありましたが、私の見解では、動きの頻度・連続性、トランジションの反応などの部分で、もう少し「慣れ」が必要かなと。ただすごい才能を持った選手なのは間違いないですし、動きは非常にロジカルで、駆け引きもできる。チームにフィットするまで、そこまで時間はかからないんじゃないかなと思います。

それより個人的には、ガブリエル・ジェズス、ラヒーム・スターリング、オレクサンドル・ジンチェンコ、そしてフェルナンジーニョといったレベルの選手がいなくなったことのほうが気になっています。結局シティはさまざまなコンペティションを高いレベルで戦い続けなきゃいけないので、選手の数と質を考えたときに、若干スケールダウンした印象ではありますね。新しい選手たちが、どこまでそれをカバーできるのかがポイントになってくる気がします。

マンチェスターシティとリバプールの「2強時代」はどこまで続くのか?_4
22/23シーズンよりマンチェスター・シティに新しく加入したノルウェー代表のアーリング・ハーランド(出典元:Vitalii Vitleo / Shutterstock.com)
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––リバプールは、昨年シーズン通算25ゴールを記録したFWサディオ・マネが退団することになりました。これはリバプールに、どのような影響を与えるのでしょう?

マネはウインガーとしても、9番的なストライカーとしても、“One Of The Best”な選手です。個人的にもまだリバプールで見たかったので、移籍してしまったのは少々残念ですね。

リバプールには、昨年プリメイラ・リーガ(ポルトガル)のベンフィカでブレイクしたFWダルウィン・ヌニェスが新たに加入しました。ですが、プレシーズンを見る限り、マネが昨シーズンやっていたようなことは、まだできないと思っています。

というのも、昨シーズンの中で、マネは大きく進化したんですよ。元々左ウイングが彼の主戦場だったのですが、FWロベルト・フィルミーノのコンディションが上がらない中、9番の位置にコンバートされて。そこで、リバプールのプレッシングの強度がさらに一段階上がったんです。さらに周囲が想像していたよりも、中盤に降りてきてプレーするのが上手い。カウンターの起点となったり、自分がカウンター時に飛び出したりと、リバプールを攻撃・守備面で大きく支えてきました。彼がいなくなったというのは、戦力的にはやはりダウンです。相変わらず、リバプールが強いのは間違いないですが。

––BIG 6以外に、22/23シーズンで特に注目しているチームはありますか?

やはり、日本代表・三笘薫選手が所属するブライトン・アンド・ホーヴ・アルビオンは、気になっている人が多いのではないでしょうか。このチームの強みは、良い選手が多く揃っている一方で、超一流と呼ばれるビッグ・プレーヤーがいないため、コレクティブにいろいろなことができること。1試合平均のボール保持率も55%くらいで、「守備一辺倒からのカウンター」というスタイルのチームではありません。プレシーズンを見ていても調子は悪くありませんし、三苫選手との活躍と合わせて、期待したいですね。

––最後に、22/23シーズンの優勝争いについて展望をお聞かせください。

基本的には、昨シーズンの最終順位が目安になると思います。シティは多少戦力的にスケールダウンした印象がありますが、それでも上位争いに関わってくるのは間違いありません。シティ、リバプールがやはり筆頭候補になると思うのですが、アーセナルもこの2チームに肉薄する可能性があります。プレシーズンでは、チェルシー相手に4-0で勝利しました。もちろんこれがシーズン前だというのは忘れてはいけませんが、選手たちも躍動していますし、現状BIG 6の中では一番コンディションがよいのかもしれません。次にチェルシー、あとトッテナムも選手層が厚くなったので、あとはそれが最適な形で発揮されると、良い結果につながるのではないでしょうか。


取材・文/集英社オンライン編集部