投打で充実! 打倒・大阪桐蔭で優勝を狙う
昨年、甲子園で登板機会を得たのが塩路柊季、武元一輝の両右腕。今年のチームをWエースとして牽引している2人だ。
中谷監督のマネジメント手法によって、投手全体の底上げを図りながらチーム強化に成功している。決して無理をさせず、目先にある大会は野球人生の通過点であるかのようにうまく起用しているのだ。
高校野球の舞台で、これほどの采配を振るっているチームはそう多くない。
だから、智弁和歌山は強いのだ。
今年は先にも書いたように、塩路、武元のWエースだ。昨年と違って、信頼のおける投手が二人いるぶん、マネジメントはやりやすいだろう。連覇へ向けて視界良好といったところだ。
また、智弁和歌山はバッティングも秀でている。昨年はやや巧打に徹することが多かったが、今年は看板の破壊力を持ち合わせたチームになっている。練習から木製のバットを使いこなし、高校生とは思えない打球を和歌山大会で見せた。投打ともに充実した状態で大会に挑むと言えるだろう。
春夏連覇を狙う大阪桐蔭と、夏連覇の期待がかかる智弁和歌山――。
第104回全国高校野球選手権は、「連覇」が掛かる近畿の2校を中心に展開していくことは間違いない。
文/氏原英明