「コロナで苦しむ生産者の力になりたい」

日本たまごかけごはん研究所では、厳選したブランド卵の販売店「幻の卵屋さん」の運営も行っている。店を始めた背景には新型コロナウイルスの感染流行があったという。

コロナの流行は卵の生産者へも深刻な影響を与えた。普段は一流のホテルやレストランに出荷される高級卵だが、緊急事態宣言で買い手が休業したため売り先を失った。それでも卵は毎日生産され、飼料や設備の費用は発生し続ける。

「付き合いのある養鶏所がコロナ禍で厳しい状況になっていると聞き、自分達が力になれないかと考えました。そこで思いついたのが卵の販売店だったんです」

当初は10前後の養鶏場から卵を取り寄せて、土日だけで販売を開始した。販売所は、東京・巣鴨にある研究所の事務所が入る建物の軒先に、長机を並べた簡素なものであったという。

買い手の多くが近隣の住民という状況で販売を続けていたが、珍しい卵屋があるという評判を聞きつけたショッピングモールから、催事場へ期間限定の出店オファーを受けたことで転機を迎えた。

TKGを世界食に! 卵に命を懸ける「日本たまごかけごはん研究所」の挑戦!_2
各地に期間限定で出現する「幻の卵屋さん」

初の出店が好評を博し、認知が拡大。たちまちオファーが激増し、幻の卵屋さんは出店予約半年待ちの人気イベントへと成長した。現在も都内を中心とした駅やデパートの催事場に期間限定で出店をしている。