エクササイズ・アズ・ナンバーワン

理解することの効果とともに、運動することの効果も見逃せないとハンセン氏は強調する。これは著書『最強脳』でも書かれていたハンセン氏の一貫とした考えである。規則正しい生活や日光浴なども心の健康によいとされている。

「(心の健康によいことで)ひとつだけ選べというなら運動です。運動は、みなさんが思うよりもはるかに重要です。重度のうつになると運動さえできなくなるので、予防として考えることが第一です」

運動する習慣がない人は、始めるのが億劫かもしれないが、「週に1時間、速めに歩いただけでもうつのリスクが下がることが研究でわかっています」という。英国の3万4000人を11年間追った調査では、週1時間の運動でうつの12%が予防できたという。

運動をしている人には、運動中や運動後しばらく、思考が冴えるという実感や経験があるかもしれない。生き延びることを使命としてきた脳や身体の見方からも運動の効果は説明できる。

<人類の歴史上のほとんどの期間、思考能力を最も必要としたのは運動をしている時だった>

つまり、狩りの最中は、集中力や問題解決力を研ぎ澄ませる必要があった。運動と思考は切っても切れない関係にあったのだ。だから運動をすると思考力が高まる。これもまたサバンナ時代の名残といえる。