歴史にみる「巨大地震」と「富士山噴火」の関係
巨大地震と富士山噴火の関係は、以前から注目されている。内閣府の「災害教訓の継承に関する専門調査会報告書 1707 富士山宝永噴火」には、噴火と地震の関係がわかる年表が掲載されている。
宝永噴火では直前に東海地震(南海トラフ地震)が起きただけでなく、1703年には関東地震も発生している。同年表によれば、1083年から1435年までは噴火がなかったように見えるが、これは記録が残っていない可能性が高いという。
話はそれるが、日本は災害の記録がよく残っているとされる。地震が周期的に発生するという考え方も、1000年を超える記録の蓄積から導き出されているのだ。
災害記録の多くは、地方から都に届いた情報が書き留められたものである。戦乱の時代は情報が届かないうえ、記録が焼失する可能性も高い。最近は不都合な記録は残さないという風潮があるが、記録は子々孫々の役に立つのである。
次の噴火はいつ
富士山の噴火は781年以後17回記録されている。「宝永噴火以来、300年間も噴火していないので、マグマだまりには噴火するのに十分なマグマが溜まっている」と多くの火山学者は考えている。
あとは、きっかけだ。東日本大震災では、有感地震までプロセスが進んでいたが、幸い、そこで止まったようだ。
もしもこの先、南海トラフ地震が起きたら、富士山にも警戒が必要だ。富士山直下で地震が起きたら、メディアは一斉に、噴火への警戒を呼び掛けるのではないか。