当面は金利が上がらない? 高騰傾向は落ち着くか…
なぜマンションが高騰し続けるのか? なぜ高騰したマンションを買えるのか?……その要因となっている起点は、先述の通りほぼすべて「圧倒的な低金利」に集約される。つまり、今後も今の圧倒的な低金利水準が維持される限り、急激にマンション価格が落ちたり、需要が下がったりすることはないものと考えられる。
住宅ローン金利と密接にかかわる金融政策だが、諸外国が引き締めの姿勢を見せる中、日本は依然として緩和の姿勢を崩さない。6月17日の金融政策決定会合でも、今の大規模な金融緩和政策を維持することが決まり、日銀の黒田総裁は改めて「今は金融を引き締める段階にない」という認識を示した。
急激な円安やインフレも懸念される状況であることから、今後、日本も利上げに舵を切る可能性はあるものの、当面の間は「現状維持」が継続する見込みだ。
ただ、マンション価格高騰の理由の1つとして「売り出し数の減少」を挙げたが、ここにきて売り出し数に増加傾向が見られる。
都内のどのエリアもコロナ前の水準には戻っていないものの「供給」が増えれば需給バランスの天秤が水平に近づき、価格高騰は落ち着いてくるものと考えられる。
取材・文/亀梨奈美