マンション価格高騰の3つの理由

マンション価格の高騰の大きな要因となっているのは、圧倒的な低金利だ。

さらに、住宅ローン減税によって、場合によっては負担しているローンの金利以上の減税効果を得られる。この状況により需要が押し上げられ、売れ行きが好調となり、価格の高騰につながっているものと考えられる。

■圧倒的な低金利
マンション価格が高騰し始めた2013年は、東京五輪開催決定とともに「アベノミクス」が始まった年でもある。同政策の1つが、大胆な金融緩和政策だ。

これにより、住宅ローン金利はかつてない低水準となっており、最近では、変動金利であれば0.3%前後で借り入れられる。固定金利でも1%強。価格はバブル期超えだとしても、当時の金利水準と比較すれば圧倒的に低く、返済額も大幅に抑えられる。

■税制優遇
金利水準の低さとともに、購入を後押しするのが住宅ローン減税だ。控除率が1%から0.7%に引き下がった2022年度税制改正は「改悪」との声も大きいが、それでも0.3%、0.4%の金利で融資を受けているとすれば、お釣りがくる。

さらに、夫婦それぞれの名義で住宅ローンを組むとすれば、夫と妻、両者が住宅ローン減税を受けられるため、2倍の税制優遇が受けられるのだ。

■売り出し数・在庫数不足
不動産の価格は、需要と供給のバランスに大きな影響を受ける。コロナ禍では、需要は伸びたものの中古マンションの売り出し数が大きく減少した。新築マンションについても、首都圏における2021年度末の在庫は5,881戸と、7期ぶりに5,000戸台にまで低下している。

需要が供給を上回っていることもまた、価格が高騰している要因の1つだといえるだろう。

だが、マンション価格がここまで高騰している中「景気が良い」と感じている人はどれほどいるだろうか? おそらく、多くはないだろう。昭和バブル期のマンション価格高騰は、景気の上向きとともにもたらされたものである。しかし現在は、お世辞にも「景気が良い」状況とはいえない。

ではなぜ、飛ぶようにマンションが売れるのか?